111AM074|第111回 看護師国家試験 過去問

看護師等の人材確保の促進に関する法律に規定されている、離職した看護師の復職の支援に関連する制度はどれか。

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正解: 1

正答

1.看護師等免許保持者の届出

この問題のポイント

看護職に関する「届出」「研修」「給付」の制度を、根拠となる法律と目的で区別できるかを問う問題です。手がかりは「看護師等の人材確保の促進に関する法律」と「離職した看護師の復職の支援」の2つの条件です。両方を満たすのは、離職時などに都道府県ナースセンターへ届け出る制度です。名前の似た保健師助産師看護師法上の届出と混同しないことが大切です。

解説

看護師等の人材確保の促進に関する法律(人材確保法)

1992年(平成4年)に制定された法律です。保健師・助産師・看護師・准看護師(看護師等)の確保を促進することを目的としています。主な内容は次のとおりです。

  • 文部科学大臣と厚生労働大臣による基本指針の策定
  • 病院等の開設者の責務(処遇の改善、研修の実施など)
  • 看護師等自身の責務(能力の開発・向上に努めること)
  • ナースセンターの設置

ナースセンターには2種類あります。都道府県ナースセンターは都道府県知事が指定し、各都道府県の看護協会が運営しています。中央ナースセンターは厚生労働大臣が指定し、日本看護協会が担っています。都道府県ナースセンターは、無料職業紹介、就業に関する相談、復職支援研修、情報提供などを行い、看護職の就業を支えています。

看護師等免許保持者の届出制度

免許を持ちながら就業していない、いわゆる潜在看護職員は多数いるとされています。一方で、高齢化によって看護職員の需要は増え続けています。この状況を受けて、2014年の医療介護総合確保推進法による改正で届出制度が設けられ、2015年10月に施行されました。

届出の概要は次のとおりです。

  • 届け出る場面:病院等を離職した場合、看護職の業務に従事しなくなった場合、免許取得後すぐに就業しない場合など
  • 届け出る事項:氏名、住所、連絡先、保有免許、籍登録番号、就業状況など
  • 届出先:都道府県ナースセンター(インターネットでも届出可能)
  • 義務の程度:努力義務。届出事項が変わったときも届け出るよう努めます。病院等の開設者には、届出が適切に行われるよう支援する努力義務があります。

離職すると、本人と行政・職能団体とのつながりが途切れやすくなります。この届出によってナースセンターは離職者の情報を把握できます。その結果、本人の状況やタイミングに合わせて、求人情報、復職支援研修の案内、相談などを継続的に届けられるようになります。つまり、「離職後もつながり続ける」ことで復職を支援する仕組みです。

業務従事者届との違い

保健師助産師看護師法に基づく業務従事者届は、就業している看護職が対象です。2年ごとの年の12月31日現在の状況を、翌年1月15日までに就業地の都道府県知事へ届け出る義務です。集計結果は衛生行政報告例として公表され、就業者数の把握に使われます。

同じ「届出」でも、次の点がすべて異なります。

  • 根拠法:人材確保法か、保健師助産師看護師法か
  • 対象:離職者等か、就業者か
  • 届出先:ナースセンターか、都道府県知事か
  • 義務の程度:努力義務か、義務か

実践の場では、看護管理者が退職予定の職員に届出を案内することが求められます。また、看護師自身が育児や介護で離職する際にも役立つ知識です。

選択肢の確認

1.看護師等免許保持者の届出:正答。人材確保法に規定され、2015年10月から施行されている制度です。離職時などに都道府県ナースセンターへ氏名・連絡先・就業状況などを届け出ることで、ナースセンターが求人情報や復職支援研修、相談を継続的に提供できるようになります。「人材確保法に規定」と「離職者の復職支援」の両方の条件を満たします。

2.特定行為に係る研修:これは保健師助産師看護師法に基づく制度です。医師・歯科医師が作成した手順書により特定行為を行う看護師は、指定研修機関で研修を受けなければなりません。目的は、在宅医療などを支える看護師の養成と資質の向上であり、就業中の看護師のキャリア開発にあたります。人材確保法の改正と同じ医療介護総合確保推進法によって同じ時期に整備されたため混同しやすいですが、根拠法も目的も異なります。

3.教育訓練給付金:雇用保険法に基づく給付です。一定の要件を満たす雇用保険の被保険者などが、厚生労働大臣の指定する講座を受講・修了した場合に、費用の一部が支給されます。看護職に限らず、労働者全般の能力開発やキャリア形成を支える制度です。看護師養成課程などが対象講座となることはありますが、人材確保法に規定された看護職の復職支援制度ではありません。

4.業務従事者届:保健師助産師看護師法に基づき、就業中の看護職が2年ごとの12月31日現在の状況を、翌年1月15日までに就業地の都道府県知事へ届け出る義務です。目的は就業者の実態把握であり、離職者は対象ではありません。選択肢1と同じ「届出」ですが、根拠法・対象・届出先・義務の程度がすべて異なります。

覚えるポイント

  • 看護師等免許保持者の届出:人材確保法、離職時など、都道府県ナースセンターへ、努力義務、2015年10月施行、目的は復職支援
  • 業務従事者届:保健師助産師看護師法、就業者、2年ごとの12月31日現在の状況を翌年1月15日までに就業地の都道府県知事へ、義務
  • ナースセンター:都道府県ナースセンターは知事が指定し、中央ナースセンターは厚生労働大臣が指定。無料職業紹介、相談、研修などで就業を支援
  • 特定行為研修:保健師助産師看護師法、手順書、指定研修機関
  • 教育訓練給付金:雇用保険法に基づく、労働者全般の能力開発支援
  • 人材確保法の責務:病院等の開設者は処遇改善・研修、看護師等は自らの能力の開発・向上

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