111AM081|第111回 看護師国家試験 過去問

心電図(別冊No. 2)を別に示す。心電図の記録速度は25 mm/秒である。心電図波形によって計測した心拍数で正しいのはどれか。

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正解: 2

正答

2.50/分以上、70/分未満

この問題のポイント

心電図の横軸は時間を表しているため、記録速度を使うと記録紙の上の「長さ」を「秒」に直せます。図には隣り合うQRS波の間隔(R-R間隔)が25 mmと示されています。記録速度25 mm/秒ではこれが1.0秒にあたるので、心拍数は60÷1.0=60/分です。長さ、時間、1分あたりの回数の順に換算できるかを問う、心電図の読み方の基本問題です。

解説

図から読み取れること

図には、先のとがった大きな波(QRS波)がほぼ同じ間隔で4つ並んでいます。どの拍にも、QRS波の前に小さなP波、後ろになだらかなT波があります。同じ形の波が同じ順番で繰り返されています。図の下には、1拍目のQRS波から2拍目のQRS波までの幅に「25 mm」と書かれています。これは、隣り合うR波の間隔であるR-R間隔が25 mmであることを示しており、この問題でいちばん大事な手がかりです。2拍目から3拍目、3拍目から4拍目の間隔も見た目でほぼ同じで、リズムは規則的です。R-R間隔が一定なので、1つのR-R間隔から心拍数を計算してかまいません。

長さを時間に換算して心拍数を求める

記録速度25 mm/秒とは、記録紙が1秒間に25 mm送られるという意味です。つまり、紙の上の25 mmがちょうど1秒にあたります。標準的な心電図用紙は、1 mm四方の小さなマスと、5 mmごとの太い線で区切った大きなマスでできています。そのため、25 mm/秒では次のように換算できます。

  • 小さなマス1個(1 mm)=0.04秒
  • 大きなマス1個(5 mm)=0.2秒
  • 大きなマス5個(25 mm)=1秒
  • 1分間(60秒)=1,500 mm=大きなマス300個

心拍数は「60秒の中に1拍分の時間が何回入るか」なので、**心拍数(/分)=60÷R-R間隔(秒)**で求めます。本問では、R-R間隔は25 mm÷25 mm/秒=1.0秒なので、心拍数は60÷1.0=60/分です。

簡単な方法で計算しても同じ値になります。1分間分の紙の長さ1,500 mmをR-R間隔の長さで割ると、1,500÷25=60です。R-R間隔の中にある大きなマスの数(25÷5=5個)で300を割っても、300÷5=60です。60/分は選択肢2の範囲(50/分以上70/分未満)に入るので、正答は2です。R-R間隔が約21.4 mmより長く30 mm以下であれば心拍数はこの範囲に入ります。そのため、目盛りの読み取りが多少ずれても答えは変わりません。求めた60/分は、成人の安静時心拍数の目安(おおむね60〜100/分)の下限あたりの値です。

同じ換算は、PQ時間(正常は0.12〜0.20秒=小さなマス3〜5個)やQRS幅(正常はおよそ0.06〜0.10秒)を評価するときにも使います。縦軸は電位を表し、標準感度では1 mVが10 mmになるように合わせます。もし記録速度が50 mm/秒なら、R-R間隔25 mmは0.5秒を表し、心拍数は120/分になります。紙の上の長さが同じでも、記録速度によって意味が変わります。計算する前に、必ず記録速度を確認します。

臨床での活かし方

心電図モニターには心拍数が自動で表示されます。しかし、体動や電極のはがれによるノイズ、背の高いT波をR波として数えてしまうことなどで、表示される値が実際と食い違うことがあります。設問が「心電図波形によって計測した」としているとおり、表示をそのまま信じず、波形でR-R間隔を確かめることが大切です。さらに、患者の脈拍を触れて数え、照らし合わせます。

リズムが不規則なとき、たとえば心房細動では、1つのR-R間隔だけでは心拍数を代表できません。この場合は、6秒間(150 mm、大きなマス30個)に含まれるQRS波の数を10倍するなど、一定時間の拍数から求めます。心房細動では、R-R間隔が短い拍で心室に血液が十分たまる前に収縮が起こるため、末梢で脈として触れない拍動が出てきます。その結果、脈拍数が心拍数より少なくなる脈拍欠損がみられます。心拍数と脈拍数を同時に数えて比べるのはこのためです。

選択肢の確認

1.30/分以上、50/分未満:心拍数がこの範囲に入るのは、R-R間隔が30 mm(1.2秒)より長く50 mm(2.0秒)以下のとき、つまり大きなマス6個分を超えて10個分以下のときです。本問のR-R間隔は25 mm(1.0秒)でこれより短く、心拍数は60/分なので当てはまりません。この範囲ははっきりした徐脈で、洞不全症候群や高度の房室ブロックなどで起こります。めまいや失神がないかを観察する必要がある状態です。

2.50/分以上、70/分未満:正答。R-R間隔25 mmは、記録速度25 mm/秒では1.0秒にあたるので、60÷1.0=60/分です。1,500÷25=60、300÷5(R-R間の大きなマスの数)=60と、どの方法で計算しても60/分になり、この範囲に入ります。

3.70/分以上、90/分未満:心拍数がこの範囲になるのは、R-R間隔が約16.7 mm(約0.67秒)より長く約21.4 mm(約0.86秒)以下、大きなマスでは約3.3〜4.3個分のときです。本問の25 mmはこれより長いので、心拍数はこの範囲より少なくなります。成人の安静時心拍数としてよく見る値なので、計算せずに「正常らしい値」で選ぶと間違えやすい選択肢です。

4.90/分以上、100/分未満:心拍数がこの範囲になるのは、R-R間隔が15 mm(0.6秒)より長く約16.7 mm(約0.67秒)以下、大きなマスでは3個分を少し超える程度のときです。本問のR-R間隔は25 mmで、これよりかなり長いので当てはまりません。

5.100/分以上、110/分未満:心拍数がこの範囲になるのは、R-R間隔が約13.6 mm(約0.55秒)より長く15 mm(0.6秒)以下、大きなマスでは約2.7〜3個分のときです。頻脈の入り口にあたる値です。本問のR-R間隔は大きなマス5個分(25 mm)あり、頻脈ではないので当てはまりません。

覚えるポイント

  • 記録速度25 mm/秒では、小さなマス(1 mm)=0.04秒、大きなマス(5 mm)=0.2秒、25 mm(大きなマス5個)=1秒です。
  • 心拍数(/分)は、60÷R-R間隔(秒)=1,500÷R-R間隔(mm)=300÷R-R間の大きなマスの数で求めます。
  • 大きなマスの数と心拍数は、1個→300、2個→150、3個→100、4個→75、5個→60、6個→50と対応します。
  • R-R間隔が不規則なとき(心房細動など)は、6秒間(大きなマス30個)のQRS波の数を10倍しておおよその心拍数を出します。
  • 記録速度が変わると換算も変わります(50 mm/秒なら1 mm=0.02秒)。計算の前に必ず記録速度を確認します。
  • モニターに表示される値は、波形と脈拍を触れて確かめます。心房細動では、脈拍数が心拍数より少なくなる脈拍欠損に注意します。

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