111PM090|第111回 看護師国家試験 過去問
出生体重3,100 gの新生児。日齢3の体重は3,000 gである。このときの体重減少率を求めよ。ただし、小数点以下第2位を四捨五入すること。解答:①.②% ① ② 0 0 1 1 2 2 3 3 4 4 5 5 6 6 7 7 8 8 9 9
解答・解説を見る
正解: 4・13
正答
① 3・② 2
体重減少率は3.2%です。
この問題のポイント
新生児の生理的体重減少を題材に、体重減少率を正しい式で計算できるかを問う問題です。分子は減った量(出生体重-日齢3の体重)、分母は基準となる出生体重です。そのうえで「小数点以下第2位を四捨五入」の指示どおり、小数第1位までの値にすることが鍵です。あわせて、求めた値が生理的な範囲(出生体重の10%以内)にあるかを判断できることが、臨床での観察につながります。
解説
問題文の手がかりは、出生体重3,100 g、日齢3の体重3,000 g、「小数点以下第2位を四捨五入」という指示の3つです。解答欄は「①.②%」なので、①には一の位(整数部分)、②には小数第1位の数字が入ります。小数第2位を四捨五入すると答えは小数第1位までになり、解答欄の形とも一致します。なお、日齢は出生日を日齢0として数えます。日齢3は、生理的体重減少が目立つ時期にあたります。
体重減少率は、基準となる出生体重に対して、どれだけ体重が減ったかを百分率で表した値です。
体重減少率(%)=(出生体重-測定時の体重)÷出生体重×100
数値を代入すると、(3,100-3,000)÷3,100×100=100÷3,100×100=10,000÷3,100です。分子と分母を100で割ると100÷31になります。筆算では100÷31=3余り7、70÷31=2余り8、80÷31=2余り18と進み、3.22…(正確には3.2258…)%が得られます。四捨五入の対象は小数第2位なので、その位まで求めれば判断できます。小数第2位は2で5未満のため切り捨てとなり、答えは3.2%です。したがって①は3、②は2です。
検算には「出生体重の1%は31 g」という見方が役立ちます。減少量100 gは31 gの約3.2倍なので、減少率が3%台前半であると見当がつきます。ただし本問は境目に近い値で、減少量が101 gなら3.258…%となり、答えは3.3%に変わります。最終的には割り算で小数第2位まで確かめます。
計算で間違えやすい点は次のとおりです。
- 分母を日齢3の体重にすると、100÷3,000×100=3.33…で3.3%となってしまいます。変化の割合は、変化前の基準の値である出生体重を分母にします。
- ×100を忘れると0.032…のままで、百分率になりません。
- 四捨五入する位を誤ると答えがずれます。小数第1位で四捨五入すると3%、小数第3位で四捨五入すると3.23%となり、いずれも指示と合いません。
「変化量÷基準の値×100」という考え方は、成人の栄養評価で用いる体重減少率(通常時の体重を基準にする)にも共通します。
次に、この値の臨床的な意味です。出生後数日間は哺乳量がまだ少ない時期です。一方で、尿や胎便の排泄、皮膚や呼気からの不感蒸泄によって水分が失われるため、体重が一時的に減ります。これを生理的体重減少といいます。新生児は体重に占める水分、特に細胞外液の割合が大きく、出生後にこれが減ることも関係しています。体重は生後3〜5日ごろに最低となり、生後7〜10日ごろに出生体重へ戻るのが一般的です。減少の幅は出生体重の10%以内が目安とされ、5〜10%程度と示されることが多い値です。10%を超える場合は、哺乳量の不足や脱水などの病的な原因を疑います。本問の3.2%は10%を大きく下回っており、病的な体重減少を疑う値ではありません。
臨床では、授乳前など毎日できるだけ同じ条件で体重を測り、減少率を計算して経過をみます。減少が大きいときや回復が遅いときは、次の点をあわせて観察します。
- 授乳の回数、吸着・吸啜の様子
- 排尿・排便の回数
- 皮膚や口腔粘膜の乾燥、大泉門の陥没
- 活気、体温、黄疸の程度
そのうえで、授乳支援の見直しや医師への報告につなげます。哺乳不足が続くと、高ナトリウム血症性脱水や黄疸の増強をきたすことがあります。そのため、数値だけでなく全身状態とあわせて判断します。なお、早産児や低出生体重児(出生体重2,500 g未満)では減少率が大きく、回復にも時間がかかりやすい傾向があります。
選択肢の確認
① 0:百分率に直すための×100を忘れると、100÷3,100=0.032…のままとなり、小数第2位を四捨五入して0.0と答えてしまいます。正しくは3.2258…%で、一の位は3です。
① 1:日齢3で割って1日あたりに換算すると約1.1%になりますが、体重減少率は出生時から測定時までの減少を出生体重に対する割合で示す値で、日数では割りません。出生体重の1%は31 gにすぎず、100 gの減少は3%台にあたるので、一の位は3です。
① 2:出生体重3,100 gの2%は62 g、3%は93 g、4%は124 gです。減少量100 gは93 gと124 gの間にあるため減少率は3%台となり、一の位は2ではなく3です。
① 3:正答。100÷3,100×100=3.2258…%で、一の位(整数部分)は3です。本問では小数第2位を四捨五入しても整数部分は変わりません。
① 4:4%の減少は3,100 g×0.04=124 gにあたります。本問の減少量100 gはそこまで達していないため、一の位は3にとどまり、4にはなりません。
① 5:5%の減少は3,100 g×0.05=155 gで、日齢3の体重でいえば2,945 gに相当します。本問の日齢3の体重は3,000 gで減少はこれより小さく、一の位は3です。
① 6:6%の減少は186 g(日齢3の体重なら2,914 g)です。本問の減少量100 gはその半分強にとどまり、一の位は6ではなく3です。
① 7:7%の減少は217 gで、本問の減少量100 gの2倍以上にあたります。減少率は3.2%なので、一の位は3であり7ではありません。
① 8:8%の減少は248 g(日齢3の体重なら2,852 g)に相当します。本問の減少量100 gはその半分以下で、一の位は8ではなく3です。
① 9:9%の減少は279 g、10%の減少は310 gで、日齢3の体重が2,790 gを下回ると10%を超えます。10%を超える減少は哺乳不足や脱水を疑う目安ですが、本問は3.2%でこれを大きく下回り、一の位は3です。
② 0:四捨五入する位を取り違えて小数第1位で四捨五入すると3%となり、「3.0」と答えてしまいます。×100を忘れた場合の0.0でもこの数字になりますが、指示どおり小数第2位を四捨五入すると3.2%で、小数第1位は2です。
② 1:四捨五入で残す位の数字は、切り捨てならそのまま、切り上げなら1つ上がるだけで、小さくなることはありません。3.2258…の小数第1位は2なので1にはならず、答えが3.1%となるのは減少量が約96 g(3,100 g×0.031)の場合です。
② 2:正答。3.2258…の小数第2位は2で5未満のため切り捨てとなり、3.2%です。小数第1位は2です。
② 3:分母を日齢3の体重にして100÷3,000×100=3.33…とすると3.3%になり、この数字を選んでしまいます。基準は変化前の出生体重であり、正しく求めた3.2258…%の小数第2位(2)を切り捨てると3.2%となるので、小数第1位は2です。
② 4:答えが3.4%となるのは、減少量がおよそ104〜106 gの場合です。本問の減少量100 gでは3.2%にとどまり、小数第1位は2です。
② 5:答えが3.5%になるのは減少率が3.45%以上3.55%未満のときで、減少量にするとおよそ107〜110 gです。3.2258…%はこの範囲に入らず、小数第1位は2です。
② 6:3.6%の減少は3,100 g×0.036≒112 gで、本問の減少量100 gより10 g以上多くなります。小数第1位は6ではなく2です。
② 7:3.7%に相当する減少量は約115 gで、日齢3の体重でいえば約2,985 gです。本問の日齢3の体重は3,000 gなので当てはまらず、小数第1位は2です。
② 8:もとの値3.2258…の小数第1位は2で、小数第2位を四捨五入して変わるとしても3までです。本問の数値から8になる道筋はなく、3.8%は約118 gの減少にあたる値です。
② 9:3.9%は約121 gの減少で、4%(124 g)に近い値です。本問の3.2258…%とは離れており、小数第1位は9ではなく2です。
覚えるポイント
- 体重減少率(%)=(出生体重-測定時の体重)÷出生体重×100です。分母は必ず出生体重で、測定時の体重を分母にすると値がずれて誤答になります。
- 「小数点以下第2位を四捨五入」では、答えは小数第1位までです。四捨五入する位(小数第2位)まで正確に割り算し、位を取り違えないようにします。
- 検算では、出生体重の1%(3,100 gなら31 g)を先に求め、減少量がその何倍かをみる方法が便利です。
- 生理的体重減少は、哺乳量が少ない時期に尿・胎便の排泄と不感蒸泄で水分が失われて起こります。生後3〜5日ごろに最低となり、生後7〜10日ごろに出生体重へ戻ります。
- 減少は出生体重の10%以内が目安です。10%を超えたら哺乳不足や脱水を疑い、哺乳状況、排尿・排便、皮膚や粘膜の乾燥、大泉門、活気、黄疸をあわせて評価します。
- 回復後の体重増加は、生後3か月ごろまで1日25〜30 g程度です。体重は生後3〜4か月で出生時の約2倍、1歳で約3倍になります。
掲載内容は受験学習用に編集しています。正式な正答・採点上の取扱いは、各試験実施機関の発表を優先してください。 情報の確認方法と訂正窓口は編集方針に掲載しています。 本サービスは診断・治療・臨床判断を目的とするものではありません。
問題文・正答・解説に誤りを見つけたら、この問題の誤りを報告する([email protected])までお知らせください。確認して修正します。