112AM034|第112回 看護師国家試験 過去問

医療計画について正しいのはどれか。

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正解: 1

正答

1.基準病床数を定める。

この問題のポイント

医療法に基づいて都道府県が策定する医療計画について、「何を定めるか」「何年ごとに見直すか」「どの医療圏を設定するか」を区別できるかを問う問題です。基準病床数は医療計画の中心となる記載事項です。判断の鍵は次の3点です。見直しの周期は2018年度から6年ごとになりました。法律上、医療計画で定める医療圏は二次と三次です。特定機能病院の承認要件は、医療計画ではなく医療法と省令で全国一律に定められています。

解説

医療計画とは

医療計画は、医療法第30条の4に基づき、都道府県が定める計画です。国(厚生労働大臣)が示す基本方針に沿いながら、地域の実情に合わせて医療提供体制を計画的に整えることを目的としています。1985年の第一次医療法改正で導入されたときは、病床の過剰や地域的な偏りを是正することが主な目的でした。その後は、医療機関の機能分化と連携によって、地域で切れ目のない医療を提供する体制づくりへと役割が広がっています。

出題当時は第7次医療計画(2018〜2023年度)の期間でした。主な記載事項は次のとおりです。

  • 5疾病(がん、脳卒中、心筋梗塞等の心血管疾患、糖尿病、精神疾患)・5事業(救急医療、災害時における医療、へき地の医療、周産期医療、小児医療)と在宅医療について、目標と医療連携体制
  • 地域医療構想(将来の医療需要をふまえた、病床機能ごとの病床の必要量など)
  • 医師の確保、外来医療の提供体制、医療従事者の確保、医療の安全の確保
  • 二次医療圏と三次医療圏の設定
  • 基準病床数

基準病床数の意味

基準病床数は、地域で整備する病床数の基準です。病床の種別ごとに単位となる区域が決まっています。

  • 療養病床と一般病床:二次医療圏ごとに定めます。
  • 精神病床・結核病床・感染症病床:都道府県の区域ごとに定めます。

既存の病床数が基準病床数を上回る地域は病床過剰地域とされ、病院の開設や増床が抑制されます。具体的には、都道府県知事が開設・増床の中止などを勧告でき、公的医療機関等には許可を与えないことができます。

地域医療構想で推計する「病床の必要量」とは性格が異なる点に注意してください。

  • 基準病床数:現在の病床整備を規制するための基準です。
  • 病床の必要量:将来の医療需要から、高度急性期・急性期・回復期・慢性期の機能別に推計する目標です。

見直しの周期

第6次医療計画までは5年ごとの見直しでした。医療法の改正により、2018年度からの第7次医療計画以降は6年ごとに見直します。さらに、在宅医療など介護保険事業支援計画と関係の深い部分は、3年ごとに中間見直しを行います。介護保険の計画は3年周期なので、医療と介護の計画の改定時期をそろえることがこの変更のねらいです。

医療圏

医療法が医療計画で定める区域として規定しているのは、次の2つです。

  • 二次医療圏:特殊な医療を除く一般の入院医療を、圏域内で完結させることを目指す区域です。複数の市町村で構成されます。
  • 三次医療圏:先進的な技術や特殊な医療機器を要する医療、発生頻度の低い疾病、専門性の高い救急医療など、特殊な医療を提供する区域です。原則として都道府県単位で、北海道のように複数に分かれる例もあります。

一次医療圏は、身近な外来診療や健康相談などのプライマリケアを受ける範囲を指す考え方です。おおむね市町村の単位で説明されますが、医療法上の区域ではありません。

出題当時と現在

2021年の医療法改正により「新興感染症等の感染拡大時における医療」が加わりました。そのため、2024年度からの第8次医療計画は5疾病・6事業と在宅医療という構成になっています。この変更は本問の正答には影響しません。

実践とのつながり

退院支援や地域連携では、患者が暮らす二次医療圏にどのような医療機関があり、どのような連携体制がとられているかを把握することが、療養先を調整するときの前提になります。

選択肢の確認

1.基準病床数を定める。:正答。基準病床数は医療計画の必須の記載事項です。療養病床と一般病床は二次医療圏ごと、精神病床・結核病床・感染症病床は都道府県単位で定めます。既存の病床数がこれを超える地域では開設・増床が抑制されるため、病床の偏在を是正する手段として機能しています。

2.5年ごとに見直しを行う。:医療計画の見直しは、2018年度の第7次医療計画から6年ごとです。在宅医療など介護と関わる部分は3年ごとに中間見直しを行います。5年ごとというのは第6次医療計画までの周期で、出題当時はすでに変更されていました。医療費適正化計画も同じ時期に6年周期となったため、あわせて覚えておくと混同を防げます。

3.特定機能病院の基準を定める。:特定機能病院は、高度の医療の提供・開発・評価・研修を担う病院として厚生労働大臣が承認する病院です。病床数400以上、定められた診療科の標榜、紹介患者を中心とした診療などの承認要件は、医療法と医療法施行規則で全国一律に定められています。都道府県が医療計画で決めるものではありません。都道府県知事が承認する地域医療支援病院(原則200床以上)との取り違えにも注意が必要です。

4.一次、二次および三次医療圏を設定する。:医療法が医療計画で定める区域として規定しているのは二次医療圏と三次医療圏の2つです。一次医療圏は、日常的な医療を受ける範囲を示す考え方にとどまり、法律上の設定区域ではありません。教科書で三つの医療圏が並べて説明されることが多いため、「3段階すべてを法的に設定する」と誤解しやすい選択肢です。

覚えるポイント

  • 医療計画の根拠は医療法、策定主体は都道府県、見直しは6年ごとです(在宅医療などは3年ごとに中間見直し)。6年ごとになったのは第7次医療計画(2018年度〜)からです。
  • 主な記載事項は、5疾病・5事業(第8次医療計画から6事業)と在宅医療、基準病床数、二次・三次医療圏、地域医療構想、医師確保、医療安全などです。
  • 基準病床数の単位は、一般・療養病床が二次医療圏、精神・結核・感染症病床が都道府県です。病床過剰地域では開設・増床が抑制されます。
  • 医療圏:一次は法律上の規定なし、二次は一般の入院医療を完結させる区域、三次は特殊な医療を提供する区域で原則都道府県単位です。
  • 承認主体:特定機能病院は厚生労働大臣(400床以上)、地域医療支援病院は都道府県知事(原則200床以上)です。
  • 計画の周期:医療計画と医療費適正化計画は6年、介護保険事業計画(市町村)と介護保険事業支援計画(都道府県)は3年です。

掲載内容は受験学習用に編集しています。正式な正答・採点上の取扱いは、各試験実施機関の発表を優先してください。 情報の確認方法と訂正窓口は編集方針に掲載しています。 本サービスは診断・治療・臨床判断を目的とするものではありません。

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