112PM055|第112回 看護師国家試験 過去問

子どもの発達で正しいのはどれか。

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正解: 1

正答

1.発達は急速な時期と緩慢な時期がある。

この問題のポイント

小児の成長・発達の一般原則を問う問題です。確認する点は、発達の速度、発達の方向性、原始反射がみられる時期、遺伝と環境の関係の4つです。次の3つの知識があれば、選択肢を確実に絞り込めます。

  • 発達は連続的だが、速度は一定ではない
  • 運動発達は頭部から尾部へ、中枢から末梢へ進む
  • 原始反射は新生児期からみられ、乳児期前半に消失する

解説

発達の一般原則

子どもの成長・発達には個人差がありますが、共通する原則があります。

  • 連続性と速度の不均一性:発達は途切れずに進みますが、速さは一定ではありません。急速な時期と緩やかな時期があります。
  • 順序性:首がすわる前に歩くことはありません。発達は一定の順序で進みます。順序は共通ですが、到達する時期には個人差があります。
  • 方向性:頭部から尾部(脚部)へ、身体の中心(中枢・近位)から末梢(遠位)へ進みます。運動は粗大なものから微細なものへと進みます。
  • 臨界期(感受期):ある機能の獲得に特に重要な時期があります。この時期に必要な刺激が欠けたり有害な影響を受けたりすると、後から取り戻しにくくなります。
  • 相互作用:発達は遺伝的素因と環境の相互作用によって進みます。

速度が一定でないことの具体例

身体発育が急速に進むのは、乳児期(第一発育急進期)と思春期(第二発育急進期)です。その間の幼児期〜学童期は、比較的緩やかに進みます。

  • 体重:出生時の約3kgが、生後3〜4か月で約2倍、1歳で約3倍になります。
  • 身長:出生時の約50cmが、1歳で約1.5倍、4歳ごろに約2倍になります。

スキャモンの発育曲線は、器官によって急速に発達する時期が異なることを示しています。

  • 一般型(身長・体重、骨格・筋、呼吸器・消化器など):乳幼児期と思春期に急増するS字型の曲線を描きます。
  • 神経型(脳・脊髄、頭囲など):乳幼児期に急速に発達し、6歳ごろまでに成人の約90%に達します。
  • リンパ型(胸腺・扁桃など):学童期後半に成人の2倍近くまで増え、その後は成人の水準まで減少します。
  • 生殖型(卵巣・精巣など):学童期まではほとんど変化せず、思春期に急増します。

急速に発達する時期は、外からの影響を受けやすい時期でもあります。この点は臨界期の考え方と結びつきます。

実践での活かし方

乳幼児健康診査や小児看護では、「何か月で何ができるか」という一時点の到達度だけで判断しません。次の視点をあわせて評価します。

  • 順序と方向性に沿って発達しているか
  • 急速な時期にふさわしい変化がみられるか

原始反射の異常は、中枢神経系の障害や分娩麻痺などを疑う手がかりになります。具体的には、新生児期に反射が弱い・みられない、消失すべき時期を過ぎても残っている、左右差がある、といった場合です。保護者には到達時期に個人差があることを伝えて不安をやわらげます。そのうえで、順序の乱れや左右差を見逃さないことが大切です。

選択肢の確認

1.発達は急速な時期と緩慢な時期がある。:正答。発達は連続して進みますが、速度は一定ではありません。身体発育は乳児期と思春期に急速に進み、幼児期から学童期は比較的緩やかです。スキャモンの発育曲線が示すように、器官ごとにも急速に発達する時期が異なります。

2.原始反射は生後6〜12か月にみられる。:原始反射は出生時(新生児期)から認められる反射です。大脳の成熟に伴って抑制され、多くは生後3〜4か月から5〜6か月ごろまでに消失します。例えばMoro〈モロー〉反射は生後4か月ごろ、探索反射・吸啜反射は生後4〜6か月ごろに消えます。足底把握反射やBabinski〈バビンスキー〉反射のように、乳児期後半から1〜2歳ごろまで残るものもあります。しかし、原始反射の時期を「生後6〜12か月」とするのは適切ではありません。この時期に目立ってくるのは、立ち直り反応やパラシュート反射などの姿勢反射(姿勢反応)です。パラシュート反射は乳児期後半に出現し、生涯持続します。原始反射と取り違えやすいので区別して覚えます。

3.基本的な運動発達は脚部から上方へ向かう。:運動発達は頭部から尾部(脚部)へ向かう方向性をもつため、この選択肢は方向が逆です。首のすわり(生後3〜4か月ごろ)から始まり、寝返り、おすわり、はいはい、つかまり立ちと進み、ひとり歩き(1歳〜1歳半ごろ)に至ります。このように、発達は上から下へ進みます。もう一つの方向性として、中枢から末梢へ進むことも押さえます。腕全体の動きから、手掌でのつかみ、指先でのつまみへと進むのがその例です。

4.新生児期は遺伝よりも環境因子の影響が大きい。:発達は遺伝的素因と環境の相互作用によって進みます。新生児期は出生後の環境にさらされた期間がきわめて短く、環境因子の影響が遺伝を上回るとはいえません。一般には、発達の初期ほど遺伝的素因が表れやすいと説明されます。そして成長するにつれて、養育、生活習慣、教育などの環境の影響が次第に大きくなります。ただし、母体の喫煙・飲酒・感染などの胎内環境も胎児や新生児に影響します。遺伝だけで決まるという意味ではない点に注意します。

覚えるポイント

  • 発達の原則は、連続性(速度は不均一)、順序性(順序は一定、時期には個人差)、方向性、臨界期、遺伝と環境の相互作用です。
  • 発達の方向性は、頭部→尾部、中枢→末梢、粗大→微細です。「脚から上へ」「末梢から中枢へ」は逆の記述です。
  • 発育急進期は、第一が乳児期、第二が思春期です。体重は生後3〜4か月で約2倍・1歳で約3倍、身長は1歳で約1.5倍・4歳ごろ約2倍です。
  • スキャモンの発育曲線では、神経型は6歳ごろに成人の約90%、リンパ型は学童期に成人を大きく上回ったのち減少、生殖型は思春期に急増します。
  • 原始反射は新生児期から存在し、多くは生後4〜6か月ごろまでに消失します。残存・欠如・左右差は異常のサインです。パラシュート反射は乳児期後半に出現し、生涯持続する姿勢反射です。

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