44PM16第44回 第2種ME技術実力検定試験 過去問

Ⅰ 基礎的知識MEの基礎となる理工学的知識電子回路・センサ/増幅回路・オペアンプ

増幅器に実効値 0.1 mV の差動信号と実効値 1 mV の同相信号(雑音)を合成して入力したところ、出力信号の SN 比が 40 dB であった。CMRR[dB]はどれか。

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正解: 3

正答

3

この問題のポイント

この問題では、差動増幅器のCMRR、同相信号除去比と、出力のSN比の関係が問われています。

差動信号は測定したい信号です。
同相信号は、両入力に共通して入る雑音です。

CMRRは、差動信号をどれだけ増幅し、同相信号をどれだけ抑えられるかを表す指標です。

解説

CMRRは、差動利得 A_d と同相利得 A_c の比です。

CMRR = A_d / A_c

dB表示では、電圧比なので次の式を使います。

CMRR[dB] = 20 log10(A_d / A_c)

この問題では、入力に次の2つが合成されています。

差動信号 = 0.1 mV
同相信号 = 1 mV

出力では、

信号成分 = A_d × 0.1 mV
雑音成分 = A_c × 1 mV

となります。

出力SN比は、

出力SN比 = 信号成分 / 雑音成分
= (A_d × 0.1 mV) / (A_c × 1 mV)

ここで、

A_d / A_c = CMRR

なので、

出力SN比 = CMRR × 0.1 / 1
出力SN比 = 0.1 × CMRR

となります。

問題文より、出力SN比は 40 dB です。

電圧比のdBなので、

40 dB = 20 log10(出力SN比)

です。

したがって、

出力SN比 = 10^(40 / 20)
出力SN比 = 10^2
出力SN比 = 100

となります。

先ほどの関係式に代入すると、

100 = 0.1 × CMRR

よって、

CMRR = 100 / 0.1
CMRR = 1000

これをdBに直します。

CMRR[dB] = 20 log10(1000)
CMRR[dB] = 20 × 3
CMRR[dB] = 60 dB

したがって、正答は 3.60 です。

計算の流れ

  1. 出力SN比 40 dB を倍率に直す。
  2. 40 dB は電圧比で 100 倍。
  3. 出力SN比 = CMRR × 差動入力 / 同相入力。
  4. 100 = CMRR × 0.1 / 1。
  5. CMRR = 1000。
  6. 1000 をdBに直すと 60 dB。

ひっかけポイント
dB計算では、電圧比や振幅比は 20 log10 を使います。
また、入力された同相信号は差動信号の10倍大きいので、出力SN比40 dBよりCMRRはさらに20 dB大きくなります。

選択肢の確認

1.20
誤り。
20 dB は電圧比で10倍です。このCMRRでは、同相信号を十分に抑えられず、出力SN比40 dBにはなりません。

2.40
誤り。
40 dB は電圧比で100倍です。しかし、入力同相信号は1 mVで、差動信号0.1 mVの10倍あります。出力SN比を100倍にするには、CMRRはさらに10倍、つまり1000倍必要です。

3.60
正しい。
出力SN比40 dBは電圧比で100倍です。出力SN比 = CMRR × 0.1 / 1 なので、CMRR = 1000です。1000倍をdBに直すと、20 log10(1000) = 60 dBです。

4.80
誤り。
80 dB は電圧比で10000倍です。これは必要なCMRR 1000倍、つまり60 dBより大きすぎます。

5.100
誤り。
100 dB は電圧比で100000倍です。この問題の条件から求めるCMRRは1000倍、すなわち60 dBです。

覚えるポイント

  • CMRR = 差動利得 / 同相利得です。
  • CMRRが大きいほど、同相信号をよく除去できます。
  • 電圧比のdB表示は 20 log10(比) を使います。
  • 40 dB は電圧比で 100倍です。
  • 60 dB は電圧比で 1000倍です。
  • この問題では、同相信号が差動信号の10倍大きいため、出力SN比40 dBを得るにはCMRR 60 dBが必要です。

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