Y2020M10Q352020年10月公表 エックス線作業主任者免許試験 過去問

エックス線の生体に与える影響に関する知識急性障害・晩発障害

ヒトが一時に全身にエックス線の照射を受けた場合の早期影響に関する次のA からD の記述について、正しいものの組合せは(1)~(5)のうちどれか。 A 1~2Gy 程度の被ばくで、放射線宿酔の症状が現れることはない。 B 被ばくから死亡までの期間は、一般に消化器官の障害による場合の方が、造血器官の障害による場合より短い。 C 3~5Gy 程度の被ばくによる死亡は、主に造血器官の障害によるものである。 D 半致死線量(LD50/60)に相当する線量の被ばくによる死亡は、主に消化器官の障害によるものである。

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正解: 3

正答

(3)

この問題のポイント

全身急性被ばくでは、線量域に応じて造血器症候群、消化管症候群、中枢神経系症候群が現れます。LD50/60は60日以内に半数が死亡する線量で、主に造血障害が関与します。1~2 Gy程度の急性全身被ばくでも悪心、嘔吐、倦怠感などの放射線宿酔が起こり得るため、症状は現れないとする記述は誤りです。腸陰窩細胞が失われる消化管症候群は数日~数週で致死的となり得ます。

解説

条件を満たす記述は「B,C」です。
A:誤り。1~2 Gy程度の急性全身被ばくでも悪心、嘔吐、倦怠感などの放射線宿酔が起こり得るため、症状は現れないとする記述は誤りです。
B:正しい。腸陰窩細胞が失われる消化管症候群は数日~数週で致死的となり得ます。造血器症候群の週~月単位より死亡までが短いという記述は正しいです。
C:正しい。全身3~5 Gyでは骨髄の造血幹・前駆細胞障害が主となり、血球減少による感染・出血から死亡し得るため正しい記述です。
D:誤り。LD50/60に相当する約4 Gy付近では、主な致死障害は消化管ではなく造血器症候群です。消化管症候群が主となるにはより高い線量が必要です。

選択肢の確認

1.A,B
× 判定:正答ではない(記述は誤り)。Aは組合せに入れられません。1~2 Gy程度の急性全身被ばくでも悪心、嘔吐、倦怠感などの放射線宿酔が起こり得るため、症状は現れないとする記述は誤りです。 Cは組合せに必要です。全身3~5 Gyでは骨髄の造血幹・前駆細胞障害が主となり、血球減少による感染・出血から死亡し得るため正しい記述です。

2.A,C
× 判定:正答ではない(記述は誤り)。Aは組合せに入れられません。1~2 Gy程度の急性全身被ばくでも悪心、嘔吐、倦怠感などの放射線宿酔が起こり得るため、症状は現れないとする記述は誤りです。 Bは組合せに必要です。腸陰窩細胞が失われる消化管症候群は数日~数週で致死的となり得ます。造血器症候群の週~月単位より死亡までが短いという記述は正しいです。

3.B,C
○ 判定:正答(記述は正しい)。Bは正しい記述です。腸陰窩細胞が失われる消化管症候群は数日~数週で致死的となり得ます。造血器症候群の週~月単位より死亡までが短いという記述は正しいです。 Cは正しい記述です。全身3~5 Gyでは骨髄の造血幹・前駆細胞障害が主となり、血球減少による感染・出血から死亡し得るため正しい記述です。

4.B,D
× 判定:正答ではない(記述は誤り)。Dは組合せに入れられません。LD50/60に相当する約4 Gy付近では、主な致死障害は消化管ではなく造血器症候群です。消化管症候群が主となるにはより高い線量が必要です。 Cは組合せに必要です。全身3~5 Gyでは骨髄の造血幹・前駆細胞障害が主となり、血球減少による感染・出血から死亡し得るため正しい記述です。

5.C,D
× 判定:正答ではない(記述は誤り)。Dは組合せに入れられません。LD50/60に相当する約4 Gy付近では、主な致死障害は消化管ではなく造血器症候群です。消化管症候群が主となるにはより高い線量が必要です。 Bは組合せに必要です。腸陰窩細胞が失われる消化管症候群は数日~数週で致死的となり得ます。造血器症候群の週~月単位より死亡までが短いという記述は正しいです。

覚えるポイント

線量が高い症候群ほど死亡までが短いと整理します。線量が上がる順に造血器→消化管→中枢神経。

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