Y2021M04Q40|2021年4月公表 エックス線作業主任者免許試験 過去問
胎内被ばくに関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。
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正解: 5
正答
(5)
この問題のポイント
着床前期は胚死亡を中心とする全か無か、器官形成期は奇形、胎児期は中枢神経発達への影響が主要です。奇形や精神発達遅滞はしきい線量を持つ組織反応で、出生児本人に現れる影響です。
解説
着床前期は胚死亡を中心とする全か無かの反応で、生き残った胚は通常正常に発育します。器官形成期は奇形の感受性期で、胎児期には発達中の中枢神経が重要な標的になります。奇形と精神発達遅滞はいずれもしきい線量を持つ組織反応です。出生した本人へ現れる精神発達遅滞を、発生確率のみが線量で増す確率的影響へ分類する記述が誤りです。
選択肢の確認
1.着床前期の被ばくでは、胚の死亡が起こることがあるが、被ばくしても生き残り、発育を続けて出生した子供には、被ばくによる影響はみられない。
○ 判定:正答ではない(記述は正しい)。着床前期は胚死亡という全か無かの反応が中心で、生き残った胚では奇形増加が主要反応とはされません。
2.胎内被ばくのうち、奇形の発生するおそれが最も大きいのは、器官形成期の被ばくである。
○ 判定:正答ではない(記述は正しい)。器官形成期は形態形成が盛んなため、しきい線量を超える被ばくで先天奇形が生じ得ます。
3.胎内被ばくのうち、出生後、精神発達遅滞を起こしやすいのは、胎児期の被ばくである。
○ 判定:正答ではない(記述は正しい)。胎児期、特に中枢神経発達が盛んな時期の被ばくでは、出生後の知的発達へ影響するおそれがあるため正しい記述です。
4.胎内被ばくにより胎児に生じる奇形は、確定的影響に分類される。
○ 判定:正答ではない(記述は正しい)。放射線奇形は器官形成期の細胞集団障害による組織反応で、発生にしきい線量があるため正しい分類です。
5.胎内被ばくを受け出生した子供にみられる精神発達遅滞は、確率的影響に分類される。
× 判定:正答(誤っている記述)。胎内被ばく後の精神発達遅滞は、発達中の中枢神経組織への障害によるしきい線量を持つ組織反応です。発生確率だけを扱う確率的影響とする分類が誤りです。
覚えるポイント
胎内影響は被ばく時期で標的過程が変わります。出生した本人の発育・神経発達への影響は身体的影響であり、生殖細胞を介して次世代へ伝わる遺伝的影響ではありません。精神発達遅滞はしきい線量を持つ中枢神経の組織反応です。