Y2022M10Q25|2022年10月公表 エックス線作業主任者免許試験 過去問
エックス線の測定に用いるNaI(Tl)シンチレーション検出器に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。
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正解: 2
正答
(2)
この問題のポイント
NaI(Tl)のTlは発光中心となる活性剤で、X線入射後には減衰の速い可視光を生じます。光は光電面で光電子へ変換・増倍され、パルス波高は一事象の発生光子数、したがって付与エネルギーに対応します。
解説
NaI結晶へ微量のTlを活性剤として加えると、放射線で生じた励起エネルギーが発光中心へ移り、光電子増倍管に適した約415 nmの光を放ちます。長時間残る紫外発光ではないため(2)が誤りです。発光量は付与エネルギーにほぼ比例し、PMTの電流パルス波高にエネルギー情報が反映されます。
選択肢の確認
1.シンチレータに混入される微量のタリウムは、発光波長の調整や発光量増加の役割を果たす活性剤である。
○ 判定:正答ではない(記述は正しい)。Tlは発光中心を作り、波長と発光効率を改善する活性剤です。
2.シンチレータにエックス線が入射すると、紫外領域の減衰時間の長い光が放射される。
× 判定:正答(誤っている記述)。主発光は可視の青紫域で、減衰時間も長くありません。
3.シンチレータから放射された光は、光電子増倍管の光電面で光電子に変換され、増倍された後、電流パルスとして出力される。
○ 判定:正答ではない(記述は正しい)。光電面で光電子となり、ダイノード列で増倍され電流パルスになります。
4.光電子増倍管から得られる出力パルス波高は、シンチレーションによる発生光子数に比例する。
○ 判定:正答ではない(記述は正しい)。出力パルス波高は発生光子数、ひいては付与エネルギーにほぼ比例します。
5.シンチレーション検出器の分解時間は、10⁻⁶~10⁻⁸ 秒程度である。
○ 判定:正答ではない(記述は正しい)。シンチレーション検出器は発光・電子増倍が速く、10⁻⁶~10⁻⁸ s程度の分解時間を持ちます。
覚えるポイント
NaI(Tl)は潮解性があるため気密容器へ封入します。シンチレーション検出器はおおむね10⁻⁶~10⁻⁸ sの短い分解時間を持ち、紫外域の長残光を利用する装置ではありません。