Y2023M04Q33|2023年4月公表 エックス線作業主任者免許試験 過去問
放射線によるDNA の損傷と修復に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。
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正解: 2
正答
(2)
この問題のポイント
2本鎖切断は頻度は低いものの修復が難しく、NHEJでは誤結合が起こり得ます。低LETのX線では水の放射線分解を介する間接作用が優位で、酸素はラジカル損傷を固定します。エックス線では水の放射線分解で生じたラジカルによる間接作用が大きく、塩基損傷、1本鎖切断、2本鎖切断を生じます。
解説
エックス線は直接作用と水のラジカルを介する間接作用の双方で、塩基損傷、一本鎖切断、二本鎖切断などを生じさせます。一本鎖切断は相補鎖を鋳型として比較的正確に修復されやすい一方、二本鎖切断は細胞死、染色体異常、発がんに深く関わる重い損傷です。したがって2が正答です。
選択肢の確認
1.放射線によるDNA 損傷には、塩基損傷とDNA 鎖切断があるが、間接電離放射線では、塩基損傷は生じない。
× 判定:正答ではない(記述は誤り)。間接作用で生じた活性酸素種によっても塩基損傷は生じます。
2.DNA 鎖切断のうち、二重らせんの片方だけが切れる1 本鎖切断は、細胞死などの重篤な細胞障害の直接の原因にはならないと考えられている。
○ 判定:正答(記述は正しい)。一本鎖切断は通常修復されやすく、重篤な細胞障害との直接の関連は二本鎖切断ほど強くありません。
3.細胞には、DNA 鎖切断を修復する機能があり、修復が誤りなく行われれば、細胞は回復し、正常に増殖を続けるが、塩基損傷を修復する機能はない。
× 判定:正答ではない(記述は誤り)。細胞には塩基除去修復など、塩基損傷を修復する仕組みもあります。
4.DNA 鎖切断のうち、2 本鎖切断はDNA 鎖の組換え現象が利用されるため、1 本鎖切断に比べて容易に修復される。
× 判定:正答ではない(記述は誤り)。二本鎖切断は一本鎖切断より複雑で、一般に修復が難しい損傷です。
5.DNA 鎖切断の修復方式のうち、非相同末端結合修復は、DNA 切断端どうしを直接結合する方式であるため、修復時の誤りが少ない。
× 判定:正答ではない(記述は誤り)。NHEJは鋳型を使わず切断端を処理して結合するため、欠失などの誤りが生じやすい方式です。
覚えるポイント
X線=間接作用優位、SSB=多く修復しやすい、DSB=少ないが重い、NHEJ=誤り得る、と整理します。1本鎖切断は2本鎖切断より頻度が高く、相補鎖を鋳型にできるため一般に修復しやすい損傷です。 NHEJは速い修復経路ですが、切断端の欠失・挿入や誤結合を伴うことがあります。