Y2023M10Q40|2023年10月公表 エックス線作業主任者免許試験 過去問
放射線による遺伝的影響に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。
解答・解説を見る
正解: 2
正答
(2)
この問題のポイント
遺伝的影響は生殖細胞変異が受精を介して子孫へ伝わる場合に生じます。生殖腺を被ばくしても体細胞・支持組織の障害は本人の身体的影響です。
解説
遺伝的影響が成立するには、生殖細胞系列に放射線誘発変異が生じ、それが受精を経て子孫へ伝わる必要があります。生殖細胞は生殖腺に存在するため、生殖腺が被ばくしなければ、この設問が扱う親の放射線被ばくによる遺伝的影響は生じません。したがって2が正答です。本人の不妊や胎内被ばくによる発育遅延は遺伝的影響とは区別します。
選択肢の確認
1.生殖腺が被ばくしたときに生じる障害は、全て遺伝的影響である。
× 判定:正答ではない(記述は誤り)。生殖腺被ばくによる不妊など、本人に現れる身体的影響もあります。
2.生殖腺が被ばくしなければ、遺伝的影響が生じるおそれはない。
○ 判定:正答(記述は正しい)。遺伝的影響には、次世代へ遺伝情報を伝える生殖細胞の被ばくが必要です。
3.親の体細胞に突然変異が生じると、子孫に遺伝的影響が生じる。
× 判定:正答ではない(記述は誤り)。親の体細胞変異は、その親の身体的影響であり子孫へは伝わりません。
4.胎内被ばくを受け、出生した子供にみられる発育遅延は、遺伝的影響である。
× 判定:正答ではない(記述は誤り)。胎内被ばくした本人の発育遅延は発生影響であり、親から受け継ぐ遺伝的影響ではありません。
5.倍加線量は、放射線による遺伝的影響を推定する指標とされ、その値が小さいほど遺伝的影響は起こりにくい。
× 判定:正答ではない(記述は誤り)。倍加線量が小さいほど少ない線量で突然変異率が倍になり、影響は起こりやすいと評価します。
覚えるポイント
胎内被ばくで出生児本人に現れる発育遅延は身体的影響です。倍加線量が大きいほど単位線量当たりの遺伝的影響は起こりにくいと解釈します。