Y2024M04Q33|2024年4月公表 エックス線作業主任者免許試験 過去問
放射線の生体影響などに関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。
解答・解説を見る
正解: 4
正答
(4)
この問題のポイント
平均致死線量D₀は細胞生存曲線で生存率を1/e、約37%へ下げる線量幅を表します。指定期間内に個体集団の50%が死亡するLD50とは対象も定義も異なります。
解説
誤りは記述4です。細胞生存曲線の平均致死線量D₀は生存率を1/e、約37%へ下げる線量幅を表し、個体集団の50%死亡を表すLD50とは別の指標です。同一総線量で線量率を下げると低LET放射線の効果が一般に小さくなる現象、OERの定義、低温で効果が小さくなる温度効果はいずれも正しい説明です。組織加重係数は確率的損害への相対寄与を表し、全組織についての合計は1です。
選択肢の確認
1.線量率効果とは、同じ線量を照射する場合に、線量率を低くすると、生物効果が小さくなることをいう。
○ 判定:正答ではない(記述は正しい)。同じ総線量を長時間に分けて与えると照射中の修復時間が増え、生物効果が低下する現象を線量率効果と呼びます。
2.酸素増感比(OER)は、酸素が存在しない状態と存在する状態とを比較し、同じ生物効果を与える線量の比で、酸素効果の大きさを表すものである。
○ 判定:正答ではない(記述は正しい)。酸素は低LET放射線によるラジカル損傷を固定するため、同じ効果に必要な線量は低酸素下で大きくなります。
3.温度が上昇すると放射線の生物効果は大きくなり、低温になると生物効果は小さくなることを温度効果という。
○ 判定:正答ではない(記述は正しい)。一般に温度上昇は化学反応や損傷固定を促して放射線効果を増し、低温では効果を小さくする方向に働きます。
4.平均致死線量は、被ばくした集団のうち50%の個体が一定の期間内に死亡する線量である。
× 判定:正答(誤っている記述)。細胞生存曲線の平均致死線量D₀は生存率を37%へ下げる線量で、大きいほど細胞は放射線抵抗性です。
5.組織加重係数は、各組織・臓器の確率的影響に対する相対的な放射線感受性を表す係数であり、組織加重係数の合計は1 である。
○ 判定:正答ではない(記述は正しい)。組織加重係数は確率的損害への相対寄与を表し、等価線量に掛けて実効線量を求めます。全組織の和は1です。
覚えるポイント
低LET放射線では線量率を下げると照射中の修復が進みやすく、酸素はラジカル損傷を固定します。組織加重係数は確率的損害への寄与を全身で規格化した係数です。