Y2024M04Q34|2024年4月公表 エックス線作業主任者免許試験 過去問
エックス線の直接作用と間接作用に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。
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正解: 5
正答
(5)
この問題のポイント
直接作用は二次電子がDNAなどの標的分子を直接電離・励起する過程、間接作用は水の放射線分解で生じるラジカルを介する過程です。低LETのX線では間接作用の寄与が大きくなります。直接作用は二次電子がDNAを直接電離・励起し、間接作用は水由来ラジカルを介して標的を損傷します。 水の放射線分解で生じたラジカルが標的高分子を損傷する経路は間接作用です。
解説
直接作用は二次電子がDNAなどの標的分子を直接電離・励起する過程、間接作用は水の放射線分解で生じるラジカルを介する過程です。低LETのX線では間接作用の寄与が大きくなります。
直接作用は放射線がDNA等の標的を直接電離・励起する作用、間接作用は水の放射線分解で生じたラジカルを介する作用です。
選択肢の確認
1.エックス線光子と生体内の水分子を構成する原子との相互作用の結果生成されたラジカルが、直接、生体高分子に損傷を与える作用が直接作用である。
× 判定:正答ではない(記述は誤り)。水の放射線分解で生じたラジカルが標的高分子を損傷する経路は間接作用です。ラジカルが直接触れるという表現でも作用分類は間接です。
2.エックス線光子によって生じた二次電子が、生体高分子の電離又は励起を行うことによって、生体高分子に損傷を与える作用が間接作用である。
× 判定:正答ではない(記述は誤り)。二次電子が生体高分子そのものを電離・励起する経路は直接作用です。水由来ラジカルを介さないため、間接作用とする名称が逆です。
3.低LET 放射線が生体に与える影響は、間接作用によるものより直接作用によるものの方が大きい。
× 判定:正答ではない(記述は誤り)。低LETのX線では水由来ラジカルを介する間接作用の寄与が直接作用より大きくなります。大小関係が逆です。
4.生体中にシステイン、システアミンなどのSH 基を有する化合物が存在すると放射線効果が軽減されることは、主に直接作用により説明される。
× 判定:正答ではない(記述は誤り)。SH化合物は遊離ラジカルを捕捉して間接作用を弱めます。放射線防護効果を主に直接作用で説明する点が誤りです。
5.溶液中の酵素の濃度を変えて一定線量のエックス線を照射するとき、酵素の全分子のうち、エックス線の直接作用によって不活性化される分子の占める割合は、酵素の濃度によらず一定である。
○ 判定:正答(記述は正しい)。直接作用で不活性化される割合は標的濃度に原理上依存しにくく、希釈効果を示しません。記述は直接作用の特徴として正しいです。
覚えるポイント
低温はラジカル拡散を抑え、SH化合物はラジカルを捕捉するため間接作用を弱めます。希釈効果は標的分子濃度が低いほど不活性化割合が増える現象です。直接作用は放射線がDNA等の標的を直接電離・励起する作用、間接作用は水の放射線分解で生じたラジカルを介する作用です。