Y2021M04Q332021年4月公表 エックス線作業主任者免許試験 過去問

エックス線の生体に与える影響に関する知識線量効果・被ばく条件

エックス線の直接作用と間接作用に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。

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正解: 3

正答

(3)

この問題のポイント

低LETのX線では水の放射線分解で生じるラジカルを介した間接作用が、標的分子を直接電離する作用より大きく寄与します。二次電子が高分子を直接電離・励起する過程と、水由来ラジカルによる過程を区別します。

解説

直接作用は二次電子がDNAなどの標的分子を直接電離・励起する過程、間接作用は水の放射線分解で生じるラジカルを介する過程です。低LETのX線では間接作用の寄与が大きくなります。

X線のような低LET放射線では、水の放射線分解を介する間接作用の寄与が直接作用より大きくなります。

選択肢の確認

1.エックス線光子と生体内の水分子を構成する原子との相互作用の結果生成されたラジカルが、直接、生体高分子に損傷を与える作用が直接作用である。
× 判定:正答ではない(記述は誤り)。水の放射線分解で生じたラジカルが高分子を損傷する過程は間接作用です。ラジカルが標的へ直接触れるという日本語でも、作用分類は間接です。

2.エックス線光子によって生じた二次電子が、生体高分子の電離又は励起を行うことによって、生体高分子に損傷を与える作用が間接作用である。
× 判定:正答ではない(記述は誤り)。二次電子が生体高分子そのものを電離・励起する過程は直接作用です。水とラジカルを介していないため、間接作用という名称が逆です。

3.エックス線のような低LET 放射線が生体に与える影響は、直接作用によるものより間接作用によるものの方が大きい。
○ 判定:正答(記述は正しい)。低LETのX線では水由来ラジカルを介する間接作用の寄与が、標的を直接電離する作用より大きいので正しい記述です。

4.生体中にシステイン、システアミンなどのSH 基を有する化合物が存在すると放射線効果が軽減されることは、主に直接作用により説明される。
× 判定:正答ではない(記述は誤り)。SH化合物は遊離ラジカルを捕捉して間接作用を弱めます。放射線防護効果を主に直接作用で説明する点が誤りです。

5.溶液中の酵素の濃度を変えて一定線量のエックス線を照射するとき、酵素の濃度が減少するに従って酵素の全分子数のうち不活性化されたものの占める割合が増加することは、直接作用により説明される。
× 判定:正答ではない(記述は誤り)。酵素濃度を下げるほど不活性化割合が増す希釈効果は、一定数のラジカルが少数の標的へ作用する間接作用で説明します。

覚えるポイント

低温はラジカルの拡散反応を抑え、SH化合物はラジカルを捕捉します。標的分子濃度が低いほど不活性化割合が増す希釈効果も、間接作用を示す現象です。

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