Y2025M04Q34|2025年4月公表 エックス線作業主任者免許試験 過去問
生体に対する放射線効果に関する次のA からD の記述について、正しいものの組合せは(1)~(5)のうちどれか。 A 半致死線量は、被ばくした集団中の個体の50%が一定期間内に死亡する線量であり、動物種の放射線感受性を比較するときなどに用いられる。 B 平均致死線量は、ある組織・臓器の個々の細胞を死滅させる最小線量を、その組織・臓器全体にわたり平均した線量で、この値が大きい組織・臓器の放射線感受性は高い。 C 全致死線量は、半致死線量の2 倍に相当する線量であり、この線量を被ばくした個体は数時間~数日のうちに死亡してしまう。 D 生物効果比(RBE)は、基準となる放射線と問題にしている放射線とが、同じ生物効果を与えるときの各々の吸収線量の比であり、線質の異なる放射線による生物効果を比較する場合に用いられる。
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正解: 3
正答
(3)
この問題のポイント
半致死線量LD50は指定期間内に個体集団の50%が死亡する線量、平均致死線量D₀は培養細胞の生存率を1/eへ下げる生存曲線上の線量幅です。全致死線量はLD50から一定比で決まる定義量ではなく、RBEは同一の生物学的効果に必要な基準放射線と試験放射線の吸収線量比です。個体集団、培養細胞、全身致死、線質のどれを比較する指標かで区別します。
解説
条件を満たす記述は「A,D」です。
A:正しい。半致死線量LD50は、定めた期間内に個体集団の50%が死亡する線量です。動物種間の感受性比較に用いられるという記述も適切です。
B:誤り。平均致死線量D₀は細胞生存曲線の指数領域で生存率を1/e約37%へ下げる線量幅で、大きいほど細胞は抵抗性です。最小致死線量を臓器全体で平均する量ではありません。
C:誤り。全致死線量は半致死線量LD50の2倍という定義ではありません。死亡までの期間も全身線量と主となる急性放射線症候群で変わるため、数時間~数日に限定できません。
D:正しい。RBE=D_ref/D_testで、同一の生物効果を生じる基準放射線の吸収線量を試験放射線の吸収線量で割ります。異なる線質の効果比較に用いるという記述は正しいです。
選択肢の確認
1.A,B
× 判定:正答ではない(記述は誤り)。Bは組合せに入れられません。平均致死線量D₀は細胞生存曲線の指数領域で生存率を1/e約37%へ下げる線量幅で、大きいほど細胞は抵抗性です。最小致死線量を臓器全体で平均する量ではありません。 Dは組合せに必要です。RBE=D_ref/D_testで、同一の生物効果を生じる基準放射線の吸収線量を試験放射線の吸収線量で割ります。異なる線質の効果比較に用いるという記述は正しいです。
2.A,C
× 判定:正答ではない(記述は誤り)。Cは組合せに入れられません。全致死線量は半致死線量LD50の2倍という定義ではありません。死亡までの期間も全身線量と主となる急性放射線症候群で変わるため、数時間~数日に限定できません。 Dは組合せに必要です。RBE=D_ref/D_testで、同一の生物効果を生じる基準放射線の吸収線量を試験放射線の吸収線量で割ります。異なる線質の効果比較に用いるという記述は正しいです。
3.A,D
○ 判定:正答(記述は正しい)。Aの半致死線量LD50は、定めた期間内に個体集団の50%が死亡する線量で、DのRBEは同じ生物学的効果に必要な基準放射線の吸収線量を試験放射線の吸収線量で割る比なので、AとDは正しい組合せです。一方、Cの全致死線量は半致死線量LD50の2倍という定義ではないため、A,CではなくA,Dを選びます。
4.B,C
× 判定:正答ではない(記述は誤り)。Bは組合せに入れられません。平均致死線量D₀は細胞生存曲線の指数領域で生存率を1/e約37%へ下げる線量幅で、大きいほど細胞は抵抗性です。最小致死線量を臓器全体で平均する量ではありません。 Cは組合せに入れられません。全致死線量は半致死線量LD50の2倍という定義ではありません。死亡までの期間も全身線量と主となる急性放射線症候群で変わるため、数時間~数日に限定できません。 Aは組合せに必要です。半致死線量LD50は、定めた期間内に個体集団の50%が死亡する線量です。動物種間の感受性比較に用いられるという記述も適切です。 Dは組合せに必要です。RBE=D_ref/D_testで、同一の生物効果を生じる基準放射線の吸収線量を試験放射線の吸収線量で割ります。異なる線質の効果比較に用いるという記述は正しいです。
5.B,D
× 判定:正答ではない(記述は誤り)。Bは組合せに入れられません。平均致死線量D₀は細胞生存曲線の指数領域で生存率を1/e約37%へ下げる線量幅で、大きいほど細胞は抵抗性です。最小致死線量を臓器全体で平均する量ではありません。 Aは組合せに必要です。半致死線量LD50は、定めた期間内に個体集団の50%が死亡する線量です。動物種間の感受性比較に用いられるという記述も適切です。
覚えるポイント
全致死線量はLD50×2とは限らず、死亡までの時間も主な急性放射線症候群で変わります。線質間の効果比はRBE=D_ref/D_test(同一効果)で求め、D₀やLD50は大きいほど対象の放射線抵抗性が高いと読みます。