35Q49第35回 介護福祉士国家試験 過去問

こころとからだのしくみ障害の理解

ストレングス(strength)の視点に基づく利用者支援の説明として,最も適切なものを 1 つ選びなさい。

解答・解説を見る

正解: 1

正答

1.個人の特性や強さを見つけて,それを生かす支援を行うこと。

この問題のポイント

ストレングスの視点は、利用者の問題やできないことだけを見るのではなく、本人と環境がもつ強み、可能性、経験、希望、資源に着目して支援を組み立てる考え方です。

この問題では、ストレングス、ノーマライゼーション、リハビリテーション、アドボカシー、エンパワメントを区別します。

解説

ストレングスは「強み」を意味します。本人の能力、性格、興味、成功経験、生活上の工夫、人間関係、地域資源など、課題の解決や望む生活の実現に生かせるものを幅広く捉えます。

例えば、片麻痺がある人について「着替えに時間がかかる」という困難だけを見るのではなく、「服を選ぶことが好き」「非麻痺側の手でボタンを留められる」「家族が見守れる」「使いやすい自助具がある」といった強みを確認します。そして、本人が望む方法を一緒に考えます。

ストレングスの視点は、困難や危険を無視して「できる」と楽観することではありません。本人の課題を正確に把握したうえで、本人がすでに持っている力や環境の支えを生かし、必要な支援を補います。支援者が一方的に強みを決めるのではなく、本人が何を大切にしているかを確認することが必要です。

他の選択肢は、障害福祉の重要な理念を表しています。障害のない人とできるだけ同じ生活条件を整えるのはノーマライゼーション、全人間的復権を目指すのはリハビリテーション、権利を代弁・擁護するのはアドボカシー、抑圧された力や権利を取り戻して主体性を高めるのはエンパワメントです。

ひっかけポイント
ストレングスとエンパワメントは関連しますが、試験では、ストレングスは「本人や環境の強みに着目する視点」、エンパワメントは「力や権利を取り戻し、主体的に選択できるようになる過程」と整理します。

介護実践でのポイント
アセスメントでは、「できないこと」だけでなく、「できること」「以前できていたこと」「本人がしたいこと」「支えになる人や物」を必ず確認します。

選択肢の確認

1.個人の特性や強さを見つけて,それを生かす支援を行うこと。
正答。最も適切です。
本人の能力、経験、関心、希望、周囲の人や地域資源などの強みに着目し、それを生かして本人の望む生活を支えることが、ストレングスの視点です。

2.日常生活の条件をできるだけ,障害のない人と同じにすること。
適切ではありません。
これは、障害があっても、他の人と同じような生活条件や機会を保障するノーマライゼーションの考え方です。

3.全人間的復権を目標とすること。
適切ではありません。
これはリハビリテーションの理念を表します。単なる機能回復ではなく、権利、役割、生活を含めた人間らしい生活の回復を目指します。

4.権利を代弁・擁護して,権利の実現を支援すること。
適切ではありません。
これはアドボカシーの説明です。本人が意思や希望を表しにくいときに、その意思をくみ取り、権利の実現に向けて働きかけます。

5.抑圧された権利や能力を取り戻して,力をつけること。
適切ではありません。
これはエンパワメントの説明です。本人が自分の力や権利に気づき、選択や行動への主体性を取り戻すことを支えます。

覚えるポイント

ストレングスは、本人と環境の強みに着目する視点です。

ノーマライゼーションは、普通の生活条件と機会を保障する考え方です。

アドボカシーは権利擁護、エンパワメントは本人が力と主体性を取り戻すことです。

支援では、課題と同時に、本人の希望、経験、能力、役割、地域資源を確認します。

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