35Q54|第35回 介護福祉士国家試験 過去問
学習障害の特徴に関する次の記述のうち,最も適切なものを 1 つ選びなさい。
解答・解説を見る
正解: 1
正答
1.読む・書く・計算するなどの習得に困難がある。
この問題のポイント
学習障害は、全般的な知的発達に遅れがない一方で、聞く、話す、読む、書く、計算する、推論する能力のうち、特定の能力の習得や使用に著しい困難を示す状態です。困難の現れ方や必要な支援は一人ひとり異なります。
解説
学習障害は、読む、書く、計算するなど、学習の基礎となる特定の能力を身につけたり使ったりすることに困難がある状態です。すべての学習領域が苦手になるとは限らず、読むことだけ、書くことだけ、計算することだけに強い困難がみられる場合もあれば、複数の領域に困難がみられる場合もあります。
全般的な知的発達の遅れを意味するものではありません。理解力や知識が十分にあっても、文字の読み取り、考えの文章化、計算手順の処理など、特定の方法では力を発揮しにくいことがあります。
学習障害の背景には、中枢神経系の何らかの機能障害があると推定されています。一方、親のしつけ方、愛情不足、本人の努力不足などが直接の原因ではありません。
注意を保ちにくいことや、じっとしていることが難しいことは、注意欠如・多動症でみられる代表的な特徴です。学習障害と注意欠如・多動症が併存することはありますが、注意力の不足や多動だけで学習障害と判断することはできません。
ひっかけポイント
学習成績が低いことだけで学習障害と決まるわけではありません。また、学習障害があるから知的能力全体が低いということでもありません。「特定の能力の習得と使用に著しい困難がある」という点を押さえます。
介護実践でのポイント
本人がどの方法なら理解しやすいかを確認し、読み上げ、音声情報、図や写真、文字の大きさや配置の調整、手順の分割、十分な時間の確保などを工夫します。できないことだけに注目せず、本人の得意な方法や強みを生かします。本人を子ども扱いしたり、理解力がない、努力が足りないと決めつけたりせず、希望する支援方法を本人と一緒に選ぶことが重要です。
選択肢の確認
1.読む・書く・計算するなどの習得に困難がある。
正しいです。
学習障害では、聞く、話す、読む、書く、計算する、推論する能力のうち、特定の能力の習得や使用に著しい困難がみられます。
2.注意力が欠如している。
誤りです。
注意を持続しにくいことは、注意欠如・多動症でみられる代表的な特徴です。学習障害と併存することはありますが、学習障害そのものを定義する特徴ではありません。
3.じっとしているのが難しい。
誤りです。
じっとしていることが難しい多動性は、注意欠如・多動症でみられる代表的な特徴です。学習障害のある人すべてにみられるものではありません。
4.脳の機能に障害はない。
誤りです。
学習障害の背景には、中枢神経系の何らかの機能障害があると推定されています。ただし、その仕組みや現れ方には個人差があります。
5.親のしつけ方や愛情不足によるものである。
誤りです。
親のしつけ方や愛情不足などの環境的要因が、学習障害の直接の原因となるわけではありません。本人や家族を責める見方は不適切です。
覚えるポイント
- 学習障害では、全般的な知的発達に遅れがないことが基本となる。
- 聞く、話す、読む、書く、計算する、推論する能力のうち、特定の能力に困難がみられる。
- 困難の種類や程度、得意な方法は一人ひとり異なる。
- 中枢神経系の何らかの機能障害が背景にあると推定されている。
- 親のしつけ方、愛情不足、本人の努力不足が直接の原因ではない。
- 注意欠如・多動症と併存することはあるが、両者は同じものではない。
- 本人が理解しやすい方法を確認し、強みを生かして支援する。