35Q75第35回 介護福祉士国家試験 過去問

介護コミュニケーション技術

利用者の家族と信頼関係を形成するための留意点として,最も適切なものを 1 つ選びなさい。

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正解: 2

正答

2.話し合いの機会を丁寧にもつ。

この問題のポイント

利用者の家族との信頼関係は、一方的な指示や役割の押しつけではなく、丁寧な対話を重ね、本人と家族の思いや状況を理解することで形成されます。信頼関係は一度できれば固定されるものではなく、継続的な関わりが必要です。

解説

利用者の家族は、本人の生活歴や価値観、これまでの暮らしを知る重要な存在である一方、介護への不安、負担、迷い、本人との意見の違いなどを抱えている場合があります。介護福祉職は家族の話を丁寧に聴き、家族が置かれている状況や気持ちを理解する必要があります。

信頼関係を形成するには、必要な情報を分かりやすく伝え、本人と家族の意向を確認し、支援の目的や役割について話し合う機会を継続して設けます。介護福祉職から一方的に正解を示すのではなく、互いの考えを確かめながら支援方法を検討します。

支援の中心は利用者本人です。家族の希望は重要ですが、本人の意思を確認せずに常に家族の希望を優先することは適切ではありません。本人と家族の意見が異なるときは、どちらかを責めたり、介護福祉職が一方的に結論を出したりせず、本人の権利と意思を尊重しながら話し合います。

また、家族がどの程度介護に関わるかも一律に決めるものではありません。家族に介護を強制することも、家族を支援から排除してすべてを専門職が担うことも適切ではなく、本人と家族の希望や生活状況に応じて役割を調整します。

ひっかけポイント

「家族を大切にすること」と「家族の希望を常に優先すること」は異なります。家族の思いを丁寧に聴きながらも、支援の中心となる利用者本人の意思と権利を尊重します。

介護実践でのポイント

家族の不安や介護負担を否定せずに聴き、本人の同意やプライバシーに配慮して情報を共有します。支援内容や役割分担を分かりやすく説明し、疑問や意見を伝えられる機会を繰り返し設けます。本人と家族の意見が異なる場合は、本人の意思を中心に据え、必要に応じて多職種と連携しながら調整します。

選択肢の確認

1.家族の希望を優先する。

誤りです。
家族の希望を聴くことは重要ですが、常に家族の希望を優先するのではなく、利用者本人の意思や権利を中心に支援します。

2.話し合いの機会を丁寧にもつ。

正しいです。
本人や家族の思い、疑問、負担、支援方針について丁寧に話し合い、対話を積み重ねることが信頼関係の形成につながります。

3.一度形成した信頼関係は,変わらずに継続すると考える。

誤りです。
心身の状態、生活環境、家族の負担、支援者の対応などによって関係性は変化します。信頼関係は継続的な対話と誠実な対応によって保つ必要があります。

4.家族に対して,「こうすれば良い」と指示を出す。

誤りです。
一方的な指示は、家族の経験や事情、価値観を軽視することになります。必要な情報を伝え、本人と家族が納得できる方法を一緒に検討します。

5.介護は全面的に介護福祉職に任せてもらう。

誤りです。
家族を一律に支援から排除する対応です。本人と家族が望む関わり方を確認し、介護福祉職を含む関係者の役割を話し合って決めます。

覚えるポイント

  • 家族との信頼関係には、継続的で丁寧な対話が必要である。
  • 支援の中心は利用者本人である。
  • 家族の希望を聴くことと、常に家族の希望を優先することは異なる。
  • 一方的な指示ではなく、情報を共有して一緒に考える。
  • 信頼関係は固定されたものではなく、関わり方によって変化する。

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