36Q55第36回 介護福祉士国家試験 過去問

こころとからだのしくみ障害の理解

Dさん(36歳、女性、療育手帳所持)は、一人暮らしをしながら地域の作業所に通っている。身の回りのことはほとんど自分でできるが、お金の計算、特に計画的にお金を使うのが苦手だった。そこで、社会福祉協議会の生活支援員と一緒に銀行へ行って、1週間ごとにお金をおろして生活するようになった。小遣い帳に記録をするようにアドバイスを受けて、お金を計画的に使うことができるようになった。 次のうち、Dさんが活用した支援を実施する事業として、最も適切なものを1つ選びなさい。

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正解: 3

正答

3.日常生活自立支援事業

この問題のポイント

社会福祉協議会の生活支援員が、本人との契約に基づいて、日常的な金銭管理や福祉サービスの利用を支援する仕組みは、日常生活自立支援事業です。

成年後見制度との違いは、本人に契約内容を理解できる力があり、本人の意思に基づく契約で利用する点です。

解説

日常生活自立支援事業は、認知症高齢者、知的障害者、精神障害者などのうち、判断能力が十分でないため日常生活に不安がある人を対象に、地域で自立した生活を送れるよう支援する事業です。利用には、この事業の契約内容を本人が理解できることが必要です。

主な支援には、福祉サービスの利用援助、日常的な金銭管理、重要書類などの預かりがあります。具体的には、福祉サービスの利用手続の援助、預金の払い戻しや預け入れ、公共料金の支払い、通帳や印鑑などの保管といった支援が行われます。

Dさんは身の回りのことはほとんど自分でできますが、計画的にお金を使うことが苦手です。社会福祉協議会の生活支援員と銀行へ行い、1週間分ずつお金を下ろし、小遣い帳への記録について助言を受けています。これは、本人のできることを生かしながら、日常的な金銭管理を支える日常生活自立支援事業の典型的な支援です。

支援者が本人に代わってすべてを決めるのではなく、本人の意思と生活上の希望を確認し、必要な部分だけを支えることが大切です。

ひっかけポイント
「判断能力への支援」という言葉だけで成年後見制度を選ばないようにします。社会福祉協議会、生活支援員、本人との契約、日常的な金銭管理が手がかりです。

介護実践でのポイント
金銭管理が苦手でも、本人の権利や自己決定を奪ってはいけません。本人が理解しやすい方法で収支を一緒に確認し、できる部分は本人が行えるよう支援します。必要に応じて社会福祉協議会や相談支援専門員などの関係機関につなぎます。

選択肢の確認

1.障害者相談支援事業
誤りです。
障害者や家族からの相談に応じ、情報提供、権利擁護のための援助、関係機関との連絡調整などを行う事業です。本事例のような、契約に基づく日常的な金銭管理を中心とした事業ではありません。

2.自立生活援助事業
誤りです。
障害者支援施設やグループホームなどから一人暮らしへ移行した人等に、定期的な訪問や相談対応を行い、地域生活を支える障害福祉サービスです。日常的な金銭管理を行う本事例の事業とは異なります。

3.日常生活自立支援事業
正しいです。
社会福祉協議会が中心となり、本人との契約に基づいて、福祉サービスの利用援助や日常的な金銭管理などを行います。Dさんへの支援内容と一致します。

4.成年後見制度利用支援事業
誤りです。
成年後見制度を必要としながら、申立てを行う親族がいない、費用負担が難しいなどの人に対し、市町村長による申立てや費用助成などを行う事業です。本事例の生活支援員による日常的な金銭管理とは異なります。

5.日常生活用具給付等事業
誤りです。
障害者などに対し、自立生活を支援する用具を給付または貸与する地域生活支援事業です。金銭管理を人的に支援する事業ではありません。

覚えるポイント

日常生活自立支援事業は、本人との契約に基づいて利用します。

対象は、判断能力が十分でないものの、契約内容を理解できる人です。

主な内容は、福祉サービスの利用援助、日常的な金銭管理、重要書類などの預かりです。

「社会福祉協議会」「生活支援員」「日常的な金銭管理」が重要な手がかりです。

本人の自己決定と残っている力を尊重し、必要な部分だけを支援します。

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