36Q58|第36回 介護福祉士国家試験 過去問
家族の介護力をアセスメントするときの視点に関する記述として、最も適切なものを1つ選びなさい。
解答・解説を見る
正解: 4
正答
4.家族を構成する個人と家族全体の生活を見る。
この問題のポイント
家族の介護力をアセスメントするときは、介護を担う一人だけを見るのではなく、家族一人ひとりの生活と、家族全体の関係や生活状況を捉えます。本人のニーズと家族のニーズのどちらか一方だけを優先するのではなく、相互の関係を含めて総合的に把握することが重要です。
解説
家族は、複数の構成員が互いに影響し合いながら生活する一つのまとまりです。そのため、家族の介護力を把握するときは、家族を構成する個人と家族全体の両方を見る必要があります。
具体的には、本人と各家族の希望、健康状態、生活歴、関係性、介護についての知識や経験、介護に使える時間、就労、家事・育児、経済状況、住環境、ほかに協力できる人や利用中のサービスなどを確認します。家族の中で同じ状況を見ても考え方が異なることがあるため、全員の意見の共通部分だけで判断してはいけません。
介護力のアセスメントは、家族にどれだけ介護を担わせられるかを判定するためのものではありません。本人の生活を支えるとともに、家族一人ひとりの健康や生活も守るために、どのような支援が必要かを考えるために行います。
ひっかけポイント
本人のニーズも家族のニーズも重要ですが、設問は「家族の介護力をアセスメントするときの視点」を問うています。どちらか一方だけを重視する選択肢ではなく、個人と家族全体を捉える選択肢を選びます。
介護実践でのポイント
家族だから介護できて当然、女性だから主介護者になるはず、といった決めつけを避けます。本人と家族それぞれに、できること、難しいこと、担いたいこと、担いたくないことを確認します。家族の疲労、睡眠、仕事、経済面、ほかの家族との関係にも目を向け、必要に応じて短期入所、日中活動、相談支援などにつなぎます。本人と家族で意見が異なる場合も、安易に多数意見へまとめず、それぞれの思いを丁寧に聴きます。
選択肢の確認
1.障害者個人のニーズを重視する。
誤りです。
本人のニーズを尊重することは支援の基本です。しかし、家族の介護力をアセスメントするには、本人のニーズだけでなく、各家族の生活や家族全体の関係、利用できる支援なども確認する必要があります。
2.家族のニーズを重視する。
誤りです。
家族のニーズや負担も重要ですが、家族のニーズだけを重視すると、本人の意思や希望する生活が置き去りになるおそれがあります。本人と家族双方を捉える必要があります。
3.家族構成員の主観の共通部分を重視する。
誤りです。
共通する意見だけを重視すると、家族構成員ごとの異なる思いや負担、関係上の葛藤が見えなくなります。共通点だけでなく、相違点も含めて把握します。
4.家族を構成する個人と家族全体の生活を見る。
正しいです。
各家族の健康、希望、役割、生活状況を把握するとともに、家族全体の関係性や生活、利用できる社会資源を総合的に確認します。
5.支援者の視点や価値観を基準にする。
誤りです。
支援者自身の価値観を基準にすると、本人や家族の意思を支援者の考えに合わせてしまう危険があります。支援者は自分の価値観を自覚し、本人と家族の事実や意向に基づいてアセスメントします。
覚えるポイント
- 家族の介護力は、家族一人ひとりと家族全体の両面から捉える。
- 本人のニーズと家族のニーズの一方だけを優先しない。
- 家族内の意見の違いも重要なアセスメント情報である。
- 介護力の評価は、家族に介護を押しつけるためのものではない。
- 家族自身も支援を必要とする生活者として捉える。