37Q55第37回 介護福祉士国家試験 過去問

こころとからだのしくみ障害の理解

聴覚障害者の特徴や支援の方法に関する次の記述のうち、最も適切なものを1つ選びなさい。

解答・解説を見る

正解: 1

正答

1.要約筆記によって意思疎通を補う。

この問題のポイント

聴覚障害のある人のコミュニケーション方法は一人ひとり異なります。

要約筆記は、話されている内容の要点をノートやパソコンなどで文字にして伝える意思疎通支援です。手話を主なコミュニケーション手段としない中途失聴者や難聴者などにも活用されます。

解説

聴覚障害には、音が外耳や中耳を伝わりにくい伝音性難聴、内耳や聴神経などに障害がある感音性難聴、両方を併せ持つ混合性難聴などがあります。聞こえの程度、障害が生じた時期、言語を獲得した時期、使用してきたコミュニケーション方法などは一人ひとり異なります。

意思疎通には、手話、手話通訳、要約筆記、筆談、口話、読話、補聴器、人工内耳、音声認識アプリ、文字表示など、さまざまな方法があります。支援者が一方的に決めず、本人が使いやすい方法を確認して組み合わせます。

要約筆記は、話し手の内容を要約し、ノートやパソコンなどを用いて文字で伝える方法です。講演会や会議でスクリーンへ表示する方法や、利用者の近くで文字を提示する方法があります。

手話は、手や指の動きだけでなく、表情や身体の動きなども用いて意味を伝える視覚言語です。日本手話を第一言語とする人もいます。聴覚障害があれば全員が手話を使うとは限らず、手話を単なる補助的な身振りと捉えるのも適切ではありません。

フラッシュベルは、電話などの着信音を光の点滅へ変換して知らせる機器です。音を大きくする補聴器や増幅器とは働きが異なります。

身体障害者手帳の聴覚障害で最も軽い6級の代表的な聴力基準は、両耳の聴力レベルがそれぞれ70dB以上、または一方が90dB以上で他方が50dB以上です。両耳40dBというだけでは基準に該当しません。

ひっかけポイント
聴覚障害の程度だけから、本人が手話、筆談、音声のどれを使うかを決めることはできません。本人が希望する方法を確認することが基本です。

介護実践でのポイント
正面から顔を見せて話す、口元を隠さない、騒音を減らす、一文を短くする、重要事項は文字でも示すなど、本人の聞こえ方と希望に応じて環境と伝え方を調整します。

選択肢の確認

1.要約筆記によって意思疎通を補う。

正しいです。 要約筆記は、話されている内容を要約し、ノートやパソコンなどを使って文字で伝える意思疎通支援です。中途失聴者や難聴者などの情報保障に活用されます。

2.軽度の聴覚障害を「ろう」という。

誤りです。 「ろう」は軽度の聴覚障害を表す用語ではありません。一般に、聴覚を通じた音声言語の理解が困難で手話を主な言語とする人などに用いられますが、本人の文化的・言語的な自己認識も尊重する必要があります。

3.フラッシュベルは周囲の音を増幅させて伝える。

誤りです。 フラッシュベルは、電話などの着信を光の点滅に変えて視覚的に知らせる機器です。周囲の音を大きくする機器ではありません。

4.手話は意思の伝達に役立たない。

誤りです。 手話は、聴覚障害のある人をはじめ、多くの人が意思や情報を伝えるために使う視覚言語です。手話通訳も重要な意思疎通支援です。

5.両耳の聴力レベルが40dBで身体障害者手帳が交付される。

誤りです。 聴覚障害6級の代表的な基準は、両耳がそれぞれ70dB以上、または一方が90dB以上で他方が50dB以上です。両耳40dBのみでは身体障害者手帳の聴覚障害の基準に該当しません。

覚えるポイント

  • 要約筆記は、話の内容を要約して文字で伝える。
  • 手話、筆談、要約筆記、口話、補聴機器などから、本人が希望する方法を確認する。
  • フラッシュベルは音を増幅するのではなく、着信を光で知らせる。
  • 手話は、表情や身体の動きも用いる視覚言語である。
  • 聴覚障害6級の代表的基準は、両耳70dB以上、または一方90dB以上・他方50dB以上である。

関連問題

37Q5437Q56
学習アプリでこの問題を解く(記録・メモ・カード化)