38Q96第38回 介護福祉士国家試験 過去問

こころとからだのしくみ障害の理解

Aさん(50歳、男性)は、以前は一人暮らしをしていたが、現在は統合失調症(schizophrenia)のため長期入院をしている。症状が軽快して安定したため、医師から間もなく退院できるという説明があった。Aさんは以前と同じように独居を希望しているが、一人で住居を探すのに不安がある。 次のうち、Aさんの希望を実現するために利用する公的な支援として、最も適切なものを1つ選びなさい。

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正解: 3

正答

3

この問題のポイント

障害福祉制度のうち、入院・入所中から地域生活へ移るための支援と、地域生活を始めた後の支援を区別する問題です。

事例の手がかりは、「精神科病院へ長期入院中」「退院できる見込みがある」「一人暮らしを希望している」「住居探しに不安がある」という点です。退院前に住居の確保などを支援する制度を選びます。

解説

地域移行支援は、障害者支援施設や精神科病院などに入所・入院している人のうち、地域生活へ移るために重点的な支援が必要な人を対象とする地域相談支援です。

具体的には、地域生活への移行に関する相談、住居の確保、外出への同行、障害福祉サービスの体験利用や体験宿泊、関係機関との連絡調整などを行います。単に退院を勧めるのではなく、本人が希望する暮らしを確認し、その実現に必要な住まい、生活費、医療、福祉サービス、日中活動、人間関係などを一緒に整えます。

Aさんは現在も精神科病院へ入院しており、退院後は以前と同じように一人で暮らすことを希望しています。しかし、自分だけで住居を探すことに不安があります。これは、入院中から退院後の住まいを確保し、地域生活へ円滑に移るための支援が必要な場面なので、地域移行支援が最も適切です。

地域定着支援は、地域で単身生活をしている人などに常時の連絡体制を確保し、緊急時の相談や支援を行うものです。自立生活援助は、一人暮らしを始めた人などに定期的な訪問や相談を行い、日常生活上の課題へ対応するサービスです。「移行前」「移行後」「緊急時」のどの段階を支える制度かを整理すると判断しやすくなります。

選択肢の確認

1.地域定着支援

誤りです。 地域で単身生活をしていて家族などによる緊急時の支援を見込みにくい人に、常時の連絡体制を確保し、緊急時の相談や支援を行う制度です。退院前の住居探しを中心とする支援ではありません。

2.自立生活援助

誤りです。 施設やグループホームなどから一人暮らしへ移った人に、定期的な居宅訪問や随時の相談を行い、生活上の課題を把握して助言や関係機関との調整を行います。Aさんはまだ入院中であり、まず地域生活へ移るための住居確保が必要です。

3.地域移行支援

正しいです。 精神科病院へ入院している人などに対し、住居の確保、地域生活に関する相談、外出への同行、関係機関との調整などを行い、退院・退所から地域生活への移行を支えます。Aさんの現在の状況と希望に合致します。

4.生活介護

誤りです。 常時介護を必要とする障害者に、主として日中、入浴、排泄、食事などの介護や、創作的活動・生産活動の機会を提供する障害福祉サービスです。退院前の住居探しを支援する制度ではありません。

5.同行援護

誤りです。 視覚障害によって移動が著しく困難な人に対し、外出時に必要な情報の提供、移動の援護、排泄・食事などの介護を行うサービスです。本事例の統合失調症による退院と住居確保の支援には該当しません。

覚えるポイント

  • 地域移行支援:入院・入所中の人が地域生活へ移るための支援。
  • 地域定着支援:地域生活開始後の緊急時に備えた連絡・支援体制。
  • 自立生活援助:一人暮らしをする人への定期訪問、相談、助言、連絡調整。
  • 「現在どこで暮らしているか」「移行前か移行後か」「何に困っているか」を確認して制度を選ぶ。
  • 本人の希望する生活を起点に、住居、医療、福祉サービスなどを調整する。

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