7AM77|第7回 公認心理師国家試験 過去問
[7AM77] 33 歳の女性A、会社員。夫Bと二人暮らし。Aは、最近3か月の間に仕事上のミスが多発したため、Aの上司から社内の心理相談室を紹介され、公認心理師Cが面接を行った。Aとの面接中、CはAの二の腕に内出血の痕跡があることに気が付いたため、Aに確認を行った。Aによると、Bは飲酒して帰宅した際に機嫌が悪いとAを激しく殴ることがある。その傾向は3か月前から酷くなり、Aは、Bのことを考えて仕事に集中できないことがある。今回もBに腕を強くつかまれたという。AはBを恐れており、「ここで話したことは絶対にBに言わないでほしい」と言う。 現時点におけるCの対応として、適切なものを2つ選べ。
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正解: 4・5
正答
4、5
この問題のポイント
この問題では、職場の心理相談室で把握されたDV被害への初期対応が問われています。
事例のポイントは、Aに内出血があり、夫Bから激しく殴られることがあり、AがBを恐れていることです。
解説
Aは、夫Bから暴力を受けており、身体的暴力の痕跡も確認されています。Bのことを考えて仕事に集中できず、仕事上のミスも増えています。これは単なる職場不適応ではなく、家庭内の暴力と支配が仕事や心身の状態に影響している状況です。
DVでは、被害者が自分の置かれている状況を「暴力」や「支配」と認識しにくい場合があります。また、加害者を恐れている場合、周囲が不用意に加害者へ確認したり、被害者に直接対決を促したりすると、暴力が悪化する危険があります。
そのため、公認心理師Cは、Aに対して、暴力や支配を受けていることへの気づきを促し、Aの安全を最優先にしながら、警察、配偶者暴力相談支援センター、行政窓口などに援助を求めることや通報について話し合うことが適切です。
福祉・産業領域のポイント
DV対応では、安全確保、本人の意思、秘密保持、通報や相談先、加害者への不用意な接触回避を分けて考えます。
公認心理師としての注意点
被害者に「自分で加害者に伝えるように」と促すことは危険です。本人の安全計画を立て、必要な機関とつながる支援を行います。
選択肢の確認
1.Aに仕事のミスを減らす方法を助言する。
判定:誤り。
Aの仕事上のミスは、夫Bからの暴力や恐怖による心理的負担と関連している可能性があります。現時点では、仕事のミスを減らす方法よりも、安全確保とDV被害への対応が優先されます。
2.AがBに暴力をやめるように伝える方法を一緒に考える。
判定:誤り。
AがBを恐れている状況で、Bに直接暴力をやめるよう伝えることは、暴力の悪化や報復につながる危険があります。被害者に加害者との直接交渉を促す対応は不適切です。
3.Aからの話であることは伝えずに、Bに事情や考えを確認する。
判定:誤り。
加害者と疑われるBに事情を確認することは、Aの安全を脅かす可能性があります。Aからの話であることを伝えないとしても、BがAを疑い、暴力が悪化する危険があります。
4.Aに対して、暴力や支配を受けていることへの気づきを積極的に促す。
判定:正しい。
DVでは、被害者が暴力や支配の構造を認識しにくいことがあります。Aの安全と意思を尊重しながら、現在の状況が暴力や支配に当たる可能性を理解できるよう支援することは適切です。
5.Aと、警察や行政に援助を依頼することや通報することについて話し合う。
判定:正しい。
Aの安全確保のため、警察、行政、配偶者暴力相談支援センターなどへの相談や援助要請について話し合うことは適切です。本人の意思を尊重しながら、緊急時の対応も含めて検討します。
覚えるポイント
- DV対応では、まず安全確保を優先します。
- 加害者への不用意な確認や、被害者から直接伝えるよう促す対応は危険です。
- 警察、行政、配偶者暴力相談支援センターなどの支援資源につなぐ視点が重要です。