7PM153第7回 公認心理師国家試験 過去問

福祉領域-01 児童相談所・児童福祉法・一時保護

[7PM153] 11 歳の男児A、小学 5 年生。Aは、親の経済的困難のため、2 歳のときに地域小規模児童養護施設に入所した。両親は、Aの入所後しばらくは面会に来ていたが、最近連絡が途絶えている。ある日、施設の公認心理師Bは、Aの担当ケアワーカーCから相談を受けた。Cによると、Aは元来穏やかな性格であるが、最近、親との記念写真を捨ててしまったり、居間でAが得意とする工作をしているときに、年少児に作品を壊されたと激怒したりと、情緒不安定な様子がみられる。あるとき、CがAに自室で作るよう言うと、「ここは僕の家だ。どこでも好きな所で作る権利が僕にはある」と泣いて主張した。 BとCの対応として、適切なものを 2 つ選べ。

2つ選択
解答・解説を見る

正解: 1・5

正答

1、5

この問題のポイント

この問題では、児童養護施設で生活する子どもの情緒不安定さに対して、生活の場としての施設支援親との関係に関する情報整理をどう行うかが問われています。

2つ選ぶ問題なので、Aの行動を単なる問題行動としてではなく、生活史と現在の不安を踏まえて理解します。

解説

Aは2歳のときから地域小規模児童養護施設で生活しています。両親は以前は面会に来ていましたが、最近は連絡が途絶えています。Aは親との記念写真を捨てたり、年少児に工作を壊されて激怒したり、「ここは僕の家だ。どこでも好きな所で作る権利が僕にはある」と泣いて主張したりしています。

この行動の背景には、親とのつながりが見えにくくなった不安、施設を自分の生活の場として守りたい気持ち、居場所や権利を確認したい思いがあると考えられます。

したがって、Cが一方的に「自室で作りなさい」と指示するだけではなく、Aの気持ちを受け止めながら、集団生活の中で工作をどこでするか、作品をどう守るか、年少児との関わりをどう調整するかを、Aと一緒に考えることが適切です。

また、両親との連絡が途絶えていることは、Aの情緒不安定さに大きく関係している可能性があります。児童相談所に両親の現状や今後の見込みを確認し、Aにどのように伝えるかを検討することが必要です。

福祉領域のポイント
社会的養護では、子どもの行動の背景にある喪失、不安、怒り、居場所への思いを理解します。生活上のルールは、子どもの権利と集団生活の両方を踏まえて一緒に考えることが重要です。

選択肢の確認

1.集団生活のルールをAと一緒に考える。
判定:正しい。
Aは「ここは僕の家だ」と泣いて主張しています。施設がAにとって生活の場であることを尊重しながら、居間の使い方、作品の保管、年少児との関わりなど、集団生活のルールをAと一緒に考えることが適切です。

2.トラウマに焦点づけた認知行動療法を導入する。
判定:誤り。
Aには情緒不安定さや親との関係に関する不安がみられますが、現時点でトラウマ症状が明確に示されているわけではありません。まずは生活場面での支援、Aの気持ちの理解、児童相談所との情報共有が優先されます。

3.児童相談所に対して、一時保護の措置を依頼する。
判定:誤り。
Aはすでに児童養護施設で生活しています。現時点で一時保護が必要な緊急の安全確保状況は示されていません。施設内での支援と児童相談所との連携が適切です。

4.Conners 3 を実施して、その結果を基に支援計画を作成する。
判定:誤り。
Conners 3はAD/HDなどの評価に用いられる尺度です。本事例では、注意欠如多動症の症状よりも、親との連絡途絶や施設での居場所感に関連する情緒不安定さが中心です。

5.Aの両親の現状と今後の見込みについて、児童相談所に確認し、Aへの伝え方を検討する。
判定:正しい。
両親との連絡が途絶えていることは、Aの不安や怒りに関係している可能性があります。児童相談所に状況を確認し、Aに年齢や心理状態に応じてどう伝えるかを検討することは適切です。

覚えるポイント

  • 児童養護施設では、子どもにとって施設が生活の場であり、居場所であることを尊重します。
  • ルールは一方的に押しつけず、子どもと一緒に考えることが支援になります。
  • 親との連絡途絶など重要な情報は、児童相談所と確認し、子どもへの伝え方を慎重に検討します。

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