9AM24|第9回 公認心理師国家試験 過去問
アルコール依存症者のとるべき責任を肩代わりし、結果として依存を助長することになる家族や関係者を表す用語として、最も適切なものを 1 つ選べ。
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正解: 2
正答
2
この問題のポイント
この問題では、アルコール依存症の家族支援で重要なイネイブラーの理解が問われています。
本人の責任を周囲が肩代わりし、結果として飲酒行動や依存を維持させてしまう点がポイントです。
解説
イネイブラーとは、依存症者の問題行動によって生じた責任や結果を周囲が肩代わりし、本人が自分の問題に向き合う機会を失わせてしまう家族や関係者を指します。
例えば、本人が飲酒によって仕事を休んだときに家族が代わりに言い訳をする、借金を繰り返し肩代わりする、飲酒によるトラブルを毎回なかったことにする、といった関わりです。
家族は本人を助けたい、問題を大きくしたくないという思いから行動していることが多く、悪意があるわけではありません。しかし、結果として本人が飲酒による結果を引き受けず、依存が維持されることがあります。
公認心理師としての注意点
依存症支援では、本人への支援だけでなく家族支援が重要です。家族を責めるのではなく、依存を維持する関係パターンを理解し、安全で適切な境界を作れるよう支援します。
アルコール依存症では、自助グループ、医療機関、精神保健福祉センター、保健所などとの連携も重要です。家族が孤立しないよう、相談先につなぐことも支援の一部です。
選択肢の確認
1.サバイバー
判定:誤り。
サバイバーは、災害、犯罪、虐待、病気などの困難な体験を生き延びた人を指すことがあります。依存症者の責任を肩代わりして結果的に依存を助長する家族や関係者を表す用語ではありません。
2.イネイブラー
判定:最も適切。
イネイブラーは、アルコール依存症者が本来引き受けるべき責任を肩代わりし、結果として依存行動を維持または助長してしまう家族や関係者を指します。本問の説明に合致します。
3.ゲートキーパー
判定:誤り。
ゲートキーパーは、自殺予防などの文脈で、悩んでいる人に気づき、声をかけ、必要な支援につなぐ役割を担う人を指します。依存を助長する関係者を表す用語ではありません。
4.アダルトチルドレン
判定:誤り。
アダルトチルドレンは、アルコール依存などの問題を抱える家庭で育ち、成人後も対人関係や自己評価などに困難を抱える人を指す文脈で用いられます。依存症者の責任を肩代わりする関係者を直接表す用語ではありません。
5.IP〈Identified Patient〉
判定:誤り。
IP は、家族療法などで「患者として特定された人」を意味します。家族の問題が一人の症状として表れていると見立てる際に使われます。本問の、依存症者の責任を肩代わりして依存を助長する人を指す用語ではありません。
覚えるポイント
- イネイブラーは、依存症者の責任を肩代わりし、依存を維持してしまう関係者です。
- 家族は善意から肩代わりしていることが多いため、責めずに支援します。
- 依存症支援では、本人支援と家族支援の両方が重要です。
- ゲートキーパーは、自殺予防などで支援につなぐ役割を担う人です。
- IPは、家族療法で患者として特定された人を指します。