36Q121|第36回 社会福祉士国家試験 過去問
集団やチームに関する次の記述のうち、最も適切なものを1つ選びなさい。
解答・解説を見る
正解: 5
正答
5
この問題のポイント
集団・チームの基本概念を、集団浅慮、集団規範、社会的手抜き、凝集性、信頼、コンフリクトに分けて判断します。対立は常に害悪ではなく、内容と扱い方によって機能が異なります。
解説
コンフリクトには、人間関係上の敵意や攻撃に発展して集団を分断する非生産的な側面がある一方、課題・意見の相違を安全かつ協調的に検討することで、多面的な議論、自己批判、創造的解決を促す生産的な側面もあります。したがって5が最も適切です。集団浅慮は、凝集性の高い集団等で合意を優先し、代替案や危険性を十分検討できなくなる現象です。集団規範はメンバーに共有される行動基準・期待であり、他人の努力へただ乗りして自分の努力を減らす現象は社会的手抜きです。凝集性はメンバーを集団へ引き付け、つなぎ留める力を表します。相互の信頼と尊敬は、率直な情報共有や協働を支え、通常はチームの生産性を低下させる要因とはいえません。
選択肢の確認
- 1.集団浅慮とは、集団を構成する個々のメンバーが、個人で考えるよりも多面的な検討を行うことができるようになる現象のことである。:適切ではありません。集団浅慮は同調や合意を優先して批判的思考が弱まり、代替案・反対情報・危険性の多面的検討が不足する現象です。
- 2.集団の規範とは、メンバーが誰かの努力や成果にただ乗りして、自分自身は力を出し切らないことである。:適切ではありません。これは社会的手抜き・フリーライディングの説明で、集団規範は集団内で共有される望ましい行動の基準や期待です。
- 3.集団の凝集性は、集団を構成するメンバーを離散させ、個々人に分離させる傾向をもつ。:適切ではありません。凝集性はメンバーが集団に魅力や所属感をもち、互いを結び付けて集団内にとどまろうとする力を意味します。
- 4.チームの生産性は、チームメンバー間で信頼や尊敬の念が育まれていると低くなる。:適切ではありません。信頼と尊敬は心理的安全性、率直な発言、知識共有、協力を支えるため、一般に生産性を低くするという説明は逆です。
- 5.集団内のコンフリクトには、集団に悪影響を及ぼす非生産的コンフリクトと、集団に好影響を及ぼす生産的コンフリクトの両方の側面がある。:正答であり最も適切です。関係対立や競争的過程は害を生み得ますが、課題上の相違を協調的に扱えば検討の質と成果を高め得ます。
覚えるポイント
集団浅慮=検討不足、規範=共有された行動基準、社会的手抜き=努力のただ乗り、凝集性=結び付ける力。コンフリクトは種類と管理過程で効果が変わります。