36Q132第36回 社会福祉士国家試験 過去問

旧カリキュラム(第36回)専門科目高齢者に対する支援と介護保険制度

事例を読んで、病院のK医療ソーシャルワーカー(社会福祉士)が、この時点でLさんへの支援のために検討すべきこととして、最も適切なものを1つ選びなさい。 〔事 例〕 Kは、変形性膝関節症で外来通院中のLさん(82歳、女性、独居、要支援2)から相談を受けた。Lさんは屋外の歩行が不自由で杖を使っているが、介護サービス等は利用していない。Lさんは、数年ぶりに趣味の歌舞伎鑑賞に出かけようと思い、介護保険制度のサービス利用について市役所に問い合わせたところ「本市では趣味のための移動支援は実施していない」と説明されたと言う。Lさんは転倒の心配もあり、歌舞伎鑑賞には見守り支援を利用したいと言っている。 (注) 「生活支援コーディネーター(第2層)」は、中学校区域を基本とする日常生活圏域で業務に当たる職員である。

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正解: 5

正答

5

この問題のポイント

Lさんの目標は歩行機能の改善一般ではなく、「見守りを得て歌舞伎鑑賞へ行くこと」です。本人の意思を起点に、公的サービス外も含む地域資源の開発・把握・マッチングを担う主体を選びます。

解説

生活支援コーディネーターは、地域に不足する生活支援・介護予防サービスの資源開発、多様な主体のネットワーク構築、地域の支援ニーズと提供主体の活動とのマッチングを担います。第2層は日常生活圏域で具体的な活動を展開するため、KがLさんの同意を得て、制度外の外出時見守りを担えるボランティア、NPO、民間サービス等について相談・調整する5が最も適切です。これは必ず支援を確保できると約束することではなく、Lさんが大切にする歌舞伎鑑賞を実現する選択肢を共に探る支援です。医療ソーシャルワーカーが自ら移動介助を行う権限を前提とせず、転倒リスクや費用、利用条件も本人と確認します。他の選択肢は各事業の目的と今回のニーズが合いません。

選択肢の確認

  • 1.Lさんの支援を在宅医療・介護連携推進事業の担当者に依頼する。:適切ではありません。同事業は医療と介護の双方を必要とする人へ切れ目なく提供する関係機関連携が中心で、趣味外出の見守り資源を個別調整する担当ではありません。
  • 2.市役所の対応に関して、都道府県国民健康保険団体連合会へ苦情の申し立てを行うよう、Lさんに提案・助言を行う。:適切ではありません。国保連の介護保険苦情処理は介護サービス等に関する苦情を対象とし、市に任意の趣味移動支援がないことへの申立てで資源を確保する方法ではありません。
  • 3.Lさんの歩行機能の改善を図るため、地域介護予防活動支援事業の利用を勧める。:適切ではありません。住民主体の通いの場等による介護予防は有用でも、現時点の本人の希望である歌舞伎鑑賞時の個別の見守り支援を直接調整する対応ではありません。
  • 4.Lさんの疑問や不安に対応してもらえるよう、介護サービス相談員と連携を図る。:適切ではありません。介護サービス相談員はサービス施設・事業所を訪ね、利用者の疑問・不満等を聴いて事業者等と橋渡しする役割で、未利用の制度外資源を探す役割とは異なります。
  • 5.Lさんの居住地を担当する「生活支援コーディネーター(第2層)」に連絡を取り、Lさんが利用できる、制度外の外出時の見守り支援策について相談・調整を図る。:正答であり最も適切です。日常生活圏域の支援ニーズを把握し、多様な地域資源とのマッチングを図る役割が、Lさんの具体的な外出希望に合います。

覚えるポイント

生活支援コーディネーターは「資源開発・ネットワーク構築・ニーズと取組のマッチング」。本人の望む生活を起点に、制度外の互助・NPO・民間資源も検討します。

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