36AM72|第36回 臨床工学技士国家試験 過去問
人工心肺を用いた体外循環について誤っているのはどれか。
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正解: 3
正答
3
公式正答は 3 です。正答内容は 低体温により血中酸素溶解度は低下する。 であり、この記述が誤りです。
この問題のポイント
体外循環では、低体温が血液への気体溶解、ヘモグロビン酸素親和性、血液粘度に与える影響を分けます。一定分圧では多くの気体は液体の温度が低いほど溶解度が増す方向なので、選択肢3は逆です。
解説
低体温では、一定の気体分圧に対する血漿中の溶存酸素量は一般に増加方向です。この温度効果を「溶解度は絶対温度に単純反比する」と数式化はできません。またHenryの法則は、一定温度で溶存気体濃度と気体分圧が比例することを述べるもので、温度依存そのものを「Henry則による反比」と説明しません。従って「低体温で血中酸素溶解度は低下」は誤りです。
低体温はオキシヘモグロビン解離曲線を左方へ移動させ、ヘモグロビンの酸素親和性を高めます。一方、温度低下で血液粘度は上昇します。体外循環で血液を希釈すると主にヘマトクリット・粘度が下がり、末梢血管抵抗は低下方向です。小児は成人より体重当たり代謝量が大きいため、体重当たりの適正灌流量も多く設定します。
選択肢の確認
選択肢1:体重あたりの適正灌流量は小児では成人に比べて多い。
正答ではありません(記述は正しい)。 小児は成人に比べ体重当たりの酸素消費量・代謝率が高く、それに応じて体重当たりの体外循環灌流量を多く設定します。
選択肢2:血液希釈により末梢血管抵抗は低下する。
正答ではありません(記述は正しい)。 血液希釈によりヘマトクリットと血液粘度が低下すると、同じ血管条件では流動抵抗が小さくなり、末梢血管抵抗を低下させる方向に働きます。
選択肢3:低体温により血中酸素溶解度は低下する。
正答です(記述は誤り)。 一定分圧では多くの気体は温度が低いほど液体への溶解度が増す方向です。したがって低体温で血中酸素溶解度が低下するとする方向が逆です。
選択肢4:低体温によりヘモグロビンの酸素結合力が高くなる。
正答ではありません(記述は正しい)。 低体温でオキシヘモグロビン解離曲線は左移し、ヘモグロビンの酸素親和性は高くなります。その分、末梢組織で酸素を放出しにくくなる側面もあります。
選択肢5:低体温により血液粘稠度は上昇する。
正答ではありません(記述は正しい)。 温度が下がると血漿と血液の粘性は増し、同一ヘマトクリットでも血液粘度は上昇します。これが低体温時に血液希釈を行う理由の一つです。
覚えるポイント
- 一定分圧で多くの気体は低温ほど液体への溶解度が増す方向だが、絶対温度との単純反比とはしない。
- Henry則は一定温度で溶存濃度と分圧の比例を述べるのであり、温度依存性そのものの法則名ではない。
- 低体温はヘモグロビン酸素親和性と血液粘度を上げ、血液希釈は粘度・抵抗を下げる方向に働く。
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