39PM63|第39回 臨床工学技士国家試験 過去問
一酸化窒素吸入療法について正しいのはどれか。 a.全身血圧は下がりにくい。 b.酸素ガスに一酸化窒素を混入する。 c.死腔に接している毛細血管を拡張させる。 d.治療中に発生する二酸化窒素は有害である。 e.吸入した一酸化窒素は肺動脈を拡張させる。
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正解: 3
正答
3
この問題のポイント
この問題では、一酸化窒素吸入療法の作用部位と安全管理が問われています。
一酸化窒素 NO は、吸入されると換気されている肺胞周囲の肺血管を選択的に拡張します。肺高血圧や酸素化改善を目的に用いられます。
解説
一酸化窒素吸入療法では、吸入された NO が肺血管平滑筋を弛緩させ、肺動脈圧や肺血管抵抗を下げます。
NO は肺で作用した後、血液中ではヘモグロビンと速やかに結合して不活化されます。そのため、全身循環へ強く作用しにくく、全身血圧は下がりにくいという特徴があります。
小項目を確認します。
a.全身血圧は下がりにくい。
正しいです。NO は肺で選択的に作用し、血中で速やかに不活化されるため、全身血圧への影響は比較的小さいです。b.酸素ガスに一酸化窒素を混入する。
誤りです。一酸化窒素は通常、窒素などを含む混合ガスとして供給され、人工呼吸器回路などの吸気側へ投与します。酸素ガスに単純に混入するという表現は適切ではありません。酸素と反応して二酸化窒素が発生する点にも注意します。c.死腔に接している毛細血管を拡張させる。
誤りです。NO は吸入ガスが届く換気された肺胞周囲の血管を拡張します。死腔のようにガス交換に寄与しない部分の毛細血管を拡張させる治療ではありません。d.治療中に発生する二酸化窒素は有害である。
正しいです。NO は酸素と反応して NO₂ を生じることがあり、NO₂ は気道や肺に有害です。濃度監視が重要です。e.吸入した一酸化窒素は肺動脈を拡張させる。
正しいです。NO は肺血管を拡張し、肺高血圧の改善や換気血流比の改善に寄与します。
したがって、正しい小項目は a、d、e であり、選択肢3が正答です。
臨床工学技士としての注意点
一酸化窒素吸入療法では、NO濃度、NO₂濃度、酸素濃度、人工呼吸器回路、投与ライン、ボンベ残量、アラームを確認します。NO₂は有害なので、濃度監視が特に重要です。
選択肢の確認
1.誤り。
選択肢1は a、b、c の組合せです。aは正しいですが、bとcが誤りです。
2.誤り。
選択肢2は a、b、e の組合せです。aとeは正しいですが、bが誤りです。
3.正しい。
選択肢3は a、d、e の組合せです。全身血圧が下がりにくいこと、NO₂が有害であること、肺動脈を拡張させることはいずれも正しい内容です。
4.誤り。
選択肢4は b、c、d の組合せです。dは正しいですが、bとcが誤りです。
5.誤り。
選択肢5は c、d、e の組合せです。dとeは正しいですが、cが誤りです。
覚えるポイント
- 一酸化窒素吸入療法は、肺血管を選択的に拡張します。
- NOはヘモグロビンと速やかに結合して不活化されるため、全身血圧は下がりにくいです。
- 換気されている肺胞周囲の血管を拡張し、換気血流比の改善に役立ちます。
- NOと酸素が反応して生じるNO₂は有害です。
- 治療中はNO濃度、NO₂濃度、酸素濃度を監視します。