68AM009|第68回 臨床検査技師国家試験 過去問

慢性骨髄性白血病で高頻度にみられる染色体の構造異常はどれか。

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正解: 5

正答

5(転座)

この問題のポイント

慢性骨髄性白血病に特徴的なPhiladelphia染色体が、どの種類の染色体構造異常で生じるかを問う問題です。

解説

慢性骨髄性白血病(CML)では、9番染色体長腕のABL1領域と22番染色体長腕のBCR領域の間に相互転座t(9;22)(q34;q11.2)が起こります。その結果、22番染色体側にBCR::ABL1融合遺伝子が形成され、この短くなった異常22番染色体をPhiladelphia染色体と呼びます。BCR::ABL1から作られる蛋白は恒常的なチロシンキナーゼ活性をもち、造血幹・前駆細胞へ増殖と生存のシグナルを送り続けます。このため顆粒球系細胞が著しく増加します。染色体検査では転座として確認でき、蛍光in situハイブリダイゼーション(FISH)や逆転写ポリメラーゼ連鎖反応(RT-PCR)では融合遺伝子を検出できます。構造異常の名称と病態をつなげると、転座が正答だと判断できます。

選択肢の確認

1.誤り。逆位は同じ染色体内で2か所が切断され、間の断片が逆向きに再結合する異常です。CMLの代表異常ではありません。
2.誤り。欠失は染色体の一部が失われる異常です。Philadelphia染色体は単純な欠失ではなく、9番と22番の間の相互転座で生じます。
3.誤り。挿入は切断された染色体断片が別の位置へ入り込む異常で、CMLに高頻度の典型的機序ではありません。
4.誤り。重複は染色体の同じ領域が繰り返されて増える異常です。BCR::ABL1形成の基本機序とは異なります。
5.正しい。CMLでは9番染色体と22番染色体の相互転座が高頻度にみられ、BCR::ABL1融合遺伝子が形成されます。

覚えるポイント

  • CMLはt(9;22)(q34;q11.2)の相互転座です。
  • Philadelphia染色体はBCR::ABL1融合遺伝子をもつ異常22番染色体です。
  • BCR::ABL1は恒常活性型チロシンキナーゼとして働きます。

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