68AM035|第68回 臨床検査技師国家試験 過去問

体内の鉄代謝について正しいのはどれか。

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正解: 3

正答

3(鉄はフェリチンと結合し貯蔵される)

この問題のポイント

体内鉄を、ヘモグロビンなどの機能鉄、トランスフェリンによる運搬鉄、フェリチンなどの貯蔵鉄に分けて考える問題です。

解説

健常成人の総鉄量は性別や体格で異なりますが、おおむね3〜4 gです。その約3分の2は赤血球ヘモグロビンのヘム鉄として酸素運搬に使われ、残りは肝臓・脾臓・骨髄のマクロファージや肝細胞などに貯蔵されるほか、ミオグロビンや各種酵素にも含まれます。血漿中では毒性のある遊離鉄として存在せず、三価鉄がトランスフェリンに結合して骨髄などへ運ばれます。細胞内の余剰鉄は水溶性蛋白のフェリチン内部に安全に蓄えられ、過剰になると難溶性のヘモジデリンとしても貯蔵されます。血清フェリチンは貯蔵鉄量の指標ですが、急性期蛋白でもあるため炎症・肝障害・悪性腫瘍などで鉄過剰がなくても上昇し得ます。血清鉄には午前高く午後低い傾向の日内変動がありますが、運搬蛋白トランスフェリン自体に同様の大きな日内変動があるという記述ではありません。

選択肢の確認

1.誤り。健常成人の総鉄量は約3〜4 gであり、約10 gは多すぎます。鉄は排泄調節が乏しいため、主に腸管吸収量で恒常性を保ちます。
2.誤り。ヘモグロビンに含まれる鉄は約3分の1ではなく、体内鉄のおよそ3分の2を占めます。
3.正しい。鉄はフェリチン蛋白の内部に貯蔵されます。フェリチンは可溶性で動員しやすい主要な貯蔵形態です。
4.誤り。明瞭な日内変動を示すのは血清鉄です。トランスフェリンは鉄を運ぶ蛋白で、総鉄結合能〈TIBC〉にも関係します。
5.誤り。ミオグロビン1分子はヘムを1個もち、その中心に鉄原子を1個含みます。しかし元素の鉄を「鉄分子」と表すのは誤りです。

覚えるポイント

  • 体内鉄は約3〜4 gで、その約3分の2がヘモグロビン鉄です。
  • 運搬はトランスフェリン、貯蔵はフェリチン・ヘモジデリンです。
  • 血清鉄には日内変動があり、フェリチンは炎症でも上昇します。

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