68AM042|第68回 臨床検査技師国家試験 過去問
肝合成能の評価に用いられるのはどれか。
解答・解説を見る
正解: 5
正答
5(プロトロンビン時間)
この問題のポイント
肝機能検査を、肝細胞障害、色素排泄、解毒、蛋白合成のどの機能を反映するかで分類する問題です。
解説
肝臓はアルブミン、コリンエステラーゼ、多くの凝固因子を合成します。プロトロンビン時間〈PT〉は組織因子とカルシウムを加えて凝固するまでの時間を測り、外因系・共通系の凝固因子I、II、V、VII、Xなどの総合的な働きを反映します。これらの多くが肝細胞で作られるため、重い肝障害で合成が低下するとPTは延長し、PT活性は低下します。特に第VII因子は半減期が短く、急性肝不全などで合成能低下を比較的早く反映します。したがって、選択肢の中で肝合成能を直接評価するのはPTです。ただしPT延長は肝障害だけに特異的ではなく、ビタミンK欠乏、ワルファリン投与、播種性血管内凝固などでも起こるため、臨床では背景と他検査を合わせて解釈します。アルブミンは半減期が長いため慢性的な合成能、PTはより短期的な変化を捉えやすいという違いも重要です。
選択肢の確認
1.誤り。インドシアニングリーン〈ICG〉試験は、肝血流、肝細胞への取り込み、胆汁中への排泄を総合して色素排泄能・予備能を評価します。蛋白合成能そのものの検査ではありません。
2.誤り。アラニンアミノトランスフェラーゼ〈ALT〉は肝細胞傷害で血中へ漏れ出る逸脱酵素で、上昇は細胞障害を示しますが、残存肝の合成能力を直接表しません。
3.誤り。血清ビリルビン値はヘム代謝、肝への取り込み・抱合、胆汁排泄、胆道閉塞などの影響を受け、主に排泄・代謝機能をみます。
4.誤り。血中アンモニア値は肝での尿素合成など解毒能や門脈体循環短絡の影響を受けます。合成能の指標ではありません。
5.正しい。PTは肝で合成される凝固因子の低下により延長するため、肝合成能の評価に用いられます。
覚えるポイント
- 肝合成能はPT、アルブミン、コリンエステラーゼで評価します。
- ALTは肝細胞障害、ビリルビン・ICGは排泄機能、アンモニアは解毒機能です。
- PT延長はビタミンK欠乏やワルファリンでも起こります。
掲載内容は受験学習用に編集しています。正式な正答・採点上の取扱いは、各試験実施機関の発表を優先してください。 情報の確認方法と訂正窓口は編集方針に掲載しています。 本サービスは診断・治療・臨床判断を目的とするものではありません。
問題文・正答・解説に誤りを見つけたら、この問題の誤りを報告する([email protected])までお知らせください。確認して修正します。