68AM048|第68回 臨床検査技師国家試験 過去問

電子顕微鏡標本作製で透過型と走査型に共通するのはどれか。

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正解: 1

正答

1(二重固定)

この問題のポイント

透過型電子顕微鏡と走査型電子顕微鏡で共通する微細構造保存の工程と、観察原理に応じた固有工程を区別する問題です。

解説

生物試料の電子顕微鏡観察では、光学顕微鏡よりはるかに細かな膜・小器官・表面構造を保つ必要があります。透過型電子顕微鏡〈TEM〉と走査型電子顕微鏡〈SEM〉のどちらでも、まずグルタルアルデヒドで蛋白質を架橋して前固定し、次に四酸化オスミウムで膜脂質を固定するとともに電子密度を高める後固定を行うのが基本です。この2段階を二重固定といい、両者に共通します。その後は観察原理で工程が分かれます。TEMは電子線を試料内部へ透過させて内部の超微細構造を見るため、脱水後にエポキシ樹脂などへ包埋し、超ミクロトームで電子線が通る超薄切片を作り、酢酸ウランやクエン酸鉛で電子染色します。SEMは試料表面を走査して放出される二次電子などから立体的な表面像を得るため、脱水・臨界点乾燥などを行い、表面へ金や白金などの導電性金属を蒸着します。

選択肢の確認

1.正しい。グルタルアルデヒド前固定と四酸化オスミウム後固定による二重固定は、生物試料のTEM・SEM標本作製に共通します。
2.誤り。樹脂包埋は超薄切片を支持するためのTEM工程です。SEMは通常、表面をそのまま観察できるよう乾燥・導電処理します。
3.誤り。超薄切は電子線を透過させるTEMで必要です。SEMでは表面を走査するため、超薄切片は作りません。
4.誤り。酢酸ウラン染色は重金属で電子散乱を増やしてTEM像のコントラストを付ける電子染色で、SEMとの共通工程ではありません。
5.誤り。金属蒸着は試料表面に導電性を与え、帯電を防いで二次電子像を得るSEMの工程です。TEMの共通工程ではありません。

覚えるポイント

  • TEM・SEM共通はグルタルアルデヒド+四酸化オスミウムの二重固定です。
  • TEMは樹脂包埋・超薄切・重金属染色で内部を見ます。
  • SEMは乾燥・金属蒸着を行い表面を見ます。

掲載内容は受験学習用に編集しています。正式な正答・採点上の取扱いは、各試験実施機関の発表を優先してください。 情報の確認方法と訂正窓口は編集方針に掲載しています。 本サービスは診断・治療・臨床判断を目的とするものではありません。

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