68PM053|第68回 臨床検査技師国家試験 過去問

電子顕微鏡標本作製時の工程と用いる試薬との組合せで正しいのはどれか。

解答・解説を見る

正解: 3

正答

3(脱水―エタノール)

この問題のポイント

電子顕微鏡用標本を、前固定・後固定・脱水・置換・樹脂包埋の順に並べ、各工程の試薬を対応させる問題です。

解説

透過型電子顕微鏡〈TEM〉では細胞膜や小器官の超微細構造を保ち、電子線が透過できる超薄切片を作る必要があります。新鮮な小組織片をグルタルアルデヒド液で前固定し、蛋白質を強く架橋します。次に四酸化オスミウム(オスミウム酸)液で後固定し、不飽和脂質を固定して膜構造を保存するとともに電子密度を高めます。水は樹脂と混ざらないため、濃度を段階的に上げたエタノールまたはアセトンで脱水します。その後、脱水剤とエポキシ樹脂の双方に混和するプロピレンオキシドなどへ置換し、エポキシ樹脂へ浸透・包埋します。超ミクロトームで超薄切し、酢酸ウランや鉛で電子染色して観察します。したがって、工程と試薬が正しく対応するのは「脱水―エタノール」です。光学顕微鏡のパラフィン法で用いるキシレンや水溶性ワックスと混同しないことが鍵です。

選択肢の確認

1.誤り。前固定は蛋白架橋作用の強いグルタルアルデヒド液で行い、オスミウム酸液は通常その後の後固定に使います。
2.誤り。後固定がオスミウム酸液、前固定がグルタルアルデヒド液であり、組合せが逆です。
3.正しい。組織内の水分を除く脱水には、上昇濃度系列のエタノールまたはアセトンを用います。
4.誤り。電顕樹脂包埋前の置換には一般にプロピレンオキシドなどを使います。キシレンは主にパラフィン標本の透徹剤です。
5.誤り。TEM標本はエポキシ樹脂などへ包埋します。カーボワックスは水溶性包埋剤で、通常の電顕超薄切用ではありません。

覚えるポイント

  • 前固定はグルタルアルデヒド、後固定は四酸化オスミウムです。
  • 脱水はエタノールまたはアセトン、置換はプロピレンオキシドです。
  • TEMはエポキシ樹脂包埋後に超薄切・電子染色を行います。

掲載内容は受験学習用に編集しています。正式な正答・採点上の取扱いは、各試験実施機関の発表を優先してください。 情報の確認方法と訂正窓口は編集方針に掲載しています。 本サービスは診断・治療・臨床判断を目的とするものではありません。

問題文・正答・解説に誤りを見つけたら、この問題の誤りを報告する([email protected])までお知らせください。確認して修正します。

関連問題

← 68PM05268PM054 →
学習アプリでこの問題を解く(記録・メモ・カード化)