68AM089|第68回 臨床検査技師国家試験 過去問
輸血副反応と原因の組合せで正しいのはどれか。
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正解: 5
正答
5(輸血関連急性肺障害〈TRALI〉―抗白血球抗体)
この問題のポイント
輸血副反応を、原因が「病原体・赤血球抗原抗体反応・供血者リンパ球・容量負荷・白血球抗体」のどれかで分類する問題です。
解説
輸血関連急性肺障害〈TRALI:transfusion-related acute lung injury〉は、輸血中または輸血後早期に低酸素血症と両側肺浸潤影を生じる非心原性肺水腫です。代表的機序では、供血者血漿中の抗ヒト白血球抗原〈抗HLA〉抗体や抗ヒト好中球抗原〈抗HNA〉抗体が受血者の好中球を活性化し、肺毛細血管内皮を傷害して血管透過性を高めます。循環血液量が多すぎて起こる輸血関連循環過負荷〈TACO〉とは機序が異なり、TRALIでは単なる容量負荷では説明できません。急性血管内溶血はABO不適合などで受血者抗体が提供者赤血球を破壊する反応、輸血後移植片対宿主病〈GVHD〉は製剤中の生きた供血者Tリンパ球が生着して受血者組織を攻撃する反応です。症状だけでなく「何が何を攻撃するか」で整理します。
選択肢の確認
1.誤り。C型肝炎は輸血用血液製剤中のC型肝炎ウイルス〈HCV〉が感染することで起こり、リンパ球そのものが原因ではありません。
2.誤り。急性血管内溶血の代表はABO不適合輸血で、受血者の抗A・抗Bが提供者赤血球へ結合し、補体を介して溶血させます。製剤中の補体が主因ではありません。
3.誤り。輸血後GVHDの原因は輸血製剤中の供血者リンパ球です。不規則抗体は主に溶血性輸血反応の原因になります。
4.誤り。TACOは輸血量または輸血速度が患者の循環許容量を超えたために起こる心原性・静水圧性肺水腫で、抗内皮細胞抗体が原因ではありません。
5.正しい。TRALIでは抗HLA抗体や抗HNA抗体などの抗白血球抗体が受血者好中球を活性化する機序が代表的です。
覚えるポイント
- TRALI=抗白血球抗体など、毛細血管透過性亢進、非心原性肺水腫。
- TACO=輸血量・速度による循環過負荷、心原性肺水腫。
- 輸血後GVHD=供血者リンパ球、急性溶血=主にABO不適合。
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