68PM061|第68回 臨床検査技師国家試験 過去問
鉄欠乏性貧血および慢性炎症に伴う貧血で共通するのはどれか。2つ選べ。
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正解: 1・2
正答
1(小球性貧血である)、2(血清鉄が低値である)
この問題のポイント
鉄欠乏性貧血と慢性炎症に伴う貧血について、共通所見と鑑別に役立つフェリチン・TIBCの違いを整理する問題です。
解説
鉄欠乏性貧血は、出血、摂取不足、吸収障害、需要増加などにより体内の貯蔵鉄そのものが枯渇する絶対的鉄欠乏です。一方、慢性炎症に伴う貧血では、炎症性サイトカインのインターロイキン6〈IL-6〉などにより肝臓のヘプシジン産生が増えます。ヘプシジンは鉄輸送蛋白フェロポルチンを減少させ、腸管からの鉄吸収とマクロファージからの鉄放出を抑えるため、体内に鉄があっても骨髄へ供給されない機能的鉄欠乏になります。機序は異なりますが、どちらも血清鉄が低下し、ヘモグロビン合成不足により小球性低色素性貧血を示し得ます。慢性炎症性貧血は初期には正球性のことも多いものの、長期化すると小球性になります。鑑別にはフェリチンと総鉄結合能〈TIBC〉が重要で、鉄欠乏ではフェリチン低値・TIBC高値、慢性炎症ではフェリチン正常〜高値・TIBC低値〜正常が基本です。
選択肢の確認
1.正しい。鉄欠乏性貧血は典型的に小球性で、慢性炎症に伴う貧血も長期化すると鉄供給不足により小球性を示します。
2.正しい。鉄欠乏では体内鉄不足、慢性炎症では鉄の隔離により、いずれも骨髄へ利用可能な血清鉄が低下します。
3.誤り。鉄の利用障害は慢性炎症に伴う貧血の中心機序です。鉄欠乏性貧血は利用障害ではなく、貯蔵鉄そのものの欠乏が基本です。
4.誤り。血清フェリチン低値は鉄欠乏に特徴的ですが、慢性炎症では貯蔵鉄が保たれ、フェリチンが急性期蛋白でもあるため正常〜高値になります。
5.誤り。TIBCは鉄欠乏でトランスフェリン増加により高値となりますが、慢性炎症ではトランスフェリンが低下して低値〜正常です。
覚えるポイント
- 両者に共通するのは血清鉄低下と小球化です。
- 鉄欠乏はフェリチン低値・TIBC高値です。
- 慢性炎症はヘプシジン高値、フェリチン正常〜高値、TIBC低値〜正常です。
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