68PM072|第68回 臨床検査技師国家試験 過去問

5%炭酸ガス培養下のヒツジ血液寒天培地に発育するのはどれか。2つ選べ。

2つ選択
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正解: 4・5

正答

4(Moraxella catarrhalis)、5(Streptococcus pneumoniae)

この問題のポイント

5%二酸化炭素環境のヒツジ血液寒天培地にそのまま発育できる呼吸器病原菌を、各菌の栄養要求性から選ぶ問題です。

解説

ヒツジ血液寒天培地は栄養に富み、二酸化炭素〈CO2〉濃度を約5%にすると、呼吸器由来の発育要求性がやや高い菌も増殖しやすくなります。Moraxella catarrhalisはこの条件で灰白色の集落を形成し、Streptococcus pneumoniaeも発育してα溶血を示します。一方、培地が豊富であっても、菌ごとの必須因子や酸素条件を満たさなければ発育しません。Haemophilus influenzaeはX因子であるヘミンとV因子であるニコチンアミドアデニンジヌクレオチド〈NAD〉を必要とし、通常は赤血球を加熱して両因子を利用しやすくしたチョコレート寒天培地を用います。Legionella pneumophilaにはL-システインと鉄を含む緩衝化活性炭酵母エキス〈BCYE〉寒天培地、Fusobacterium nucleatumには嫌気環境が必要です。したがって、単に呼吸器感染菌かどうかではなく、「血液寒天」「CO2」「嫌気性」「特殊栄養要求」の組合せで判断します。

選択肢の確認

1.誤り。Fusobacterium nucleatumは偏性嫌気性の紡錘状Gram陰性桿菌であり、CO2培養ではなく酸素を除いた嫌気培養を必要とします。
2.誤り。Haemophilus influenzaeはX因子とV因子を必要とするため、通常のヒツジ血液寒天単独では十分に発育せず、チョコレート寒天を用います。
3.誤り。Legionella pneumophilaは通常の血液寒天には発育せず、L-システインと鉄を含むBCYE寒天培地が必要です。
4.正しい。Moraxella catarrhalisは5%CO2環境のヒツジ血液寒天培地に発育し、非溶血性の灰白色集落を形成します。
5.正しい。Streptococcus pneumoniaeは5%CO2環境のヒツジ血液寒天培地に発育し、α溶血性集落を形成します。

覚えるポイント

  • 肺炎球菌とMoraxellaはCO2加血液寒天に発育する。
  • H. influenzaeにはX・V因子を供給するチョコレート寒天を用いる。
  • LegionellaはBCYE培地、Fusobacteriumは嫌気培養が必要である。

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