68PM071|第68回 臨床検査技師国家試験 過去問

喀痰の Gram 染色で染まりにくいのはどれか。

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正解: 3

正答

3(Legionella pneumophila)

この問題のポイント

肺炎の原因菌のうち、菌体が細く通常のGram染色では捉えにくい菌を見分ける問題です。

解説

Legionella pneumophilaは好気性のGram陰性桿菌ですが、菌体が非常に細く多形性を示し、通常のGram染色では染まりにくいため、良質な喀痰で好中球が多いのに菌がほとんど見えないという所見が手掛かりになります。ただし「Gram陰性菌だから赤く見えるはず」と単純に考えず、肺炎像と染色所見が釣り合わないときに本菌を疑うことが重要です。確定には尿中抗原検査や核酸増幅検査を用い、培養にはL-システインと鉄を含む緩衝化活性炭酵母エキス〈buffered charcoal yeast extract:BCYE〉寒天培地が必要です。一般的な血液寒天培地には発育しません。Legionellaは水系環境でアメーバ内に生息し、エアロゾル吸入によって重症肺炎を起こすため、冷却塔や循環式浴槽などへの曝露歴も診断の助けになります。

選択肢の確認

1.誤り。Haemophilus influenzaeは小型で多形性のGram陰性桿菌ですが、適切な検体では赤色の小桿菌として観察できます。
2.誤り。Klebsiella pneumoniaeは太く短いGram陰性桿菌で、莢膜による菌体周囲の明るい帯を伴って比較的明瞭に見えます。
3.正しい。Legionella pneumophilaは菌体が細く通常のGram染色で染まりにくく、肺炎が疑われるのに菌が見えにくいことが特徴です。
4.誤り。Moraxella catarrhalisは腎臓形に向かい合うGram陰性双球菌として観察されます。
5.誤り。Streptococcus pneumoniaeはランセット状のGram陽性双球菌として観察され、莢膜を伴うことがあります。

覚えるポイント

  • 好中球が多い喀痰なのに菌が見えにくい肺炎ではLegionellaを考える。
  • Legionellaの培養にはL-システインと鉄を含むBCYE寒天培地を用いる。
  • 迅速診断には尿中抗原検査や核酸増幅検査が利用される。

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