68PM086|第68回 臨床検査技師国家試験 過去問
胎児・新生児溶血性疾患の原因となる不規則抗体はどれか。2つ選べ。
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正解: 2・3
正答
2(抗c)、3(抗E)
この問題のポイント
胎児・新生児溶血性疾患を起こすには、母体抗体が胎盤を通過でき、胎児赤血球に対応抗原が発現している必要があります。
解説
胎児・新生児溶血性疾患〈HDFN〉は、母体で産生された赤血球同種抗体が胎盤を通過し、胎児赤血球へ結合して主に脾臓で溶血させる病態です。胎盤を通過できるのは免疫グロブリンG〈IgG〉であり、Rh血液型系の抗D、抗c、抗Eなどは重要な原因抗体になります。とくに抗cは重症化することがあり、抗Eも単独または他のRh抗体とともにHDFNを起こし得ます。検査では母体の不規則抗体スクリーニング・同定、抗体価、父親や胎児の抗原保有の可能性を評価し、出生後は児の直接抗グロブリン試験、ヘモグロビン、ビリルビンなどを確認します。一方、抗体が主にIgMで胎盤を通れない場合や、胎児赤血球で標的抗原の発現が乏しい場合はHDFNを起こしにくくなります。
選択肢の確認
1.誤り。抗Bgaは赤血球上に弱く表現されるHLA関連抗原に対する抗体で、一般に臨床的意義が低く、HDFNの代表的原因ではありません。
2.正しい。抗cはRh血液型系のIgG抗体で胎盤を通過し、胎児がc抗原陽性なら重症例を含むHDFNを起こし得ます。
3.正しい。抗EもRh血液型系のIgG抗体として胎盤を通過し、E抗原陽性の胎児赤血球を溶血させることがあります。
4.誤り。抗Leaは多くが低温反応性IgMであり、胎児・新生児の赤血球ではLewis抗原の発現も未熟なため、通常HDFNを起こしません。
5.誤り。抗Nは多くが低温反応性IgMで、通常は胎盤を通過せず、HDFNの典型的原因ではありません。
覚えるポイント
- HDFN成立の鍵は「胎盤を通るIgG」と「胎児赤血球上の対応抗原」。
- Rh系では抗Dだけでなく、抗c・抗Eにも注意する。
- Lewis抗体や多くの抗NはIgM主体で、通常HDFNを起こしにくい。
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