69AM047|第69回 臨床検査技師国家試験 過去問
H‑E 染色標本とパラフィンブロックの肉眼写真を別に示す。 H‑E 染色標本にみられる問題の原因はどれか。

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正解: 3
正答
3(薄切の面出し不足)
この問題のポイント
ヘマトキシリン・エオジン〈H-E〉染色標本Aの欠損形状をパラフィンブロックBの切削面と照合し、標本作製工程のどこに原因があるかを判定する問題です。
解説
実画像AはH-E染色切片の全体像で、左右に赤紫色の組織がある一方、中央には上方から大きく入り込む白い欠損部が見えます。画像Bのパラフィンブロックでは、左右の組織は切削面へ出ていますが、中央部は周囲と同じ面まで十分に露出していません。Aの欠損位置とBの未露出位置が対応するため、組織全体がブロック表面へ現れるまで荒削りする「面出し」が不足したまま薄切したと判断します。組織片は包埋時に完全に同じ深さへ置かれるとは限らず、浅い部分だけが先に切れます。切削面を観察しながら組織全体が現れるまで少しずつトリミングし、その後に目的厚の連続切片を作る必要があります。画像にはA・Bのラベル以外に矢印やスケールはありません。固定や浸透の不良なら細部の染色・組織支持性、伸展不足ならしわ、染色中剝離ならスライドからの脱落が主となり、ブロック面と一致する未切削形状ではありません。
選択肢の確認
1.誤り。ホルマリン固定不足では自己融解、核染色不良、組織構造の不鮮明化などが起こりますが、ブロックの未露出部と一致する大きな欠損は説明できません。
2.誤り。パラフィン浸透不足では組織が十分支持されず、薄切時に崩れ、圧縮、裂け、穴などが生じますが、画像Bの面出し状態との対応が異なります。
3.正しい。画像Bで中央組織が切削面へ十分に出ておらず、その位置が画像Aの白い欠損と一致するため薄切前の面出し不足です。
4.誤り。切片の伸展不足では水浴上でしわが伸びず、標本に折れ、重なり、厚い濃染部が残ります。組織そのものが広く欠ける像ではありません。
5.誤り。染色時の切片剝離では染色操作中に組織がスライドから失われますが、ブロック表面の未露出形状と同じ位置に欠損するとは限りません。
覚えるポイント
- H-E標本の欠損はパラフィンブロック面と位置・形を照合する。
- 面出しは包埋組織全体が切削面へ現れるまで行う。
- しわは伸展、崩れは浸透、自己融解は固定の工程を疑う。
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