69PM003|第69回 臨床検査技師国家試験 過去問
PCR 法の原理で正しいのはどれか。
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正解: 2
正答
2(2種類のプライマーを用いる)
この問題のポイント
ポリメラーゼ連鎖反応の三つの温度工程、二本のプライマー、デオキシリボ核酸合成方向、Ct値の関係を正確に整理する問題です。
解説
ポリメラーゼ連鎖反応〈polymerase chain reaction:PCR〉では、増幅したいデオキシリボ核酸〈DNA〉領域の両端を挟むフォワードプライマーとリバースプライマーの2種類を用います。各サイクルで、約94〜98 ℃の熱変性により二本鎖を一本鎖にし、通常50〜65 ℃前後のアニーリングでプライマーを相補配列へ結合させ、耐熱性DNAポリメラーゼに適した温度で伸長します。重要なのは方向です。公式PDFの選択肢4は「3′→5′方向に相補鎖を合成する」と記載されていますが、これは誤りです。DNAポリメラーゼは鋳型鎖を3′→5′方向へ読み、プライマーの3′末端へヌクレオチドを加えるため、新生鎖は必ず5′→3′方向に合成されます。定量PCRでは蛍光が設定閾値を越えるサイクル数をCt値とし、初期標的量が多いほど早く閾値へ達するのでCt値は小さくなります。
選択肢の確認
1.誤り。熱変性は二本鎖DNAの水素結合を切るため通常94〜98 ℃付近で行い、60 ℃前後は主にプライマーを結合させるアニーリング温度です。
2.正しい。標的領域の両側で互いに反対向きに結合するフォワード、リバースの2種類のプライマーを用います。
3.誤り。一般的なPCRは目的や系に応じて概ね25〜40サイクル程度で行い、50サイクル前後が原則ではありません。過剰な反復は非特異増幅も増やします。
4.誤り。鋳型を読む向きは3′→5′ですが、新しい相補鎖を合成する向きは5′→3′です。両者を混同してはいけません。
5.誤り。初期標的DNA量が多い検体ほど少ないサイクルで蛍光閾値へ達するため、Ct値は大きくではなく小さくなります。
覚えるポイント
- PCRは熱変性・アニーリング・伸長を反復し、2種類のプライマーを使う。
- DNAポリメラーゼは鋳型を3′→5′に読み、新生鎖を5′→3′に合成する。
- 初期標的量が多いほどCt値は小さい。
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