71PM022|第71回 臨床検査技師国家試験 過去問
正中神経における運動神経伝導検査の記録波形(別冊No. 5)を別に示す。 最も考えられるのはどれか。

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正解: 5
正答
5
この問題のポイント
脱髄性ニューロパチーでは、潜時延長、伝導速度低下、時間的分散、伝導ブロックを見ます。
解説
図では、手関節刺激でも潜時が延長し、肘窩刺激ではさらに著しい潜時延長と波形の多相化・時間的分散を認めます。これは複数部位の末梢神経で髄鞘障害を来す**慢性炎症性脱髄性多発根神経炎〈CIDP〉**に合う所見です。
脱髄では軸索の数そのものより伝導の同期性が障害され、伝導速度低下、遠位潜時延長、F波延長、伝導ブロックなどを示します。
画像で見るポイント
患者波形と正常波形を、潜時、振幅、持続時間、近位刺激による波形変化の順に比較します。
選択肢の確認
1.重症筋無力症
誤り。
重症筋無力症は神経筋接合部疾患で、反復刺激による漸減現象を評価します。通常の運動神経伝導でこのような広範な脱髄所見を示す疾患ではありません。
2.手根管症候群
誤り。
手根管症候群では正中神経の手関節部に限局した遠位潜時延長が中心で、近位刺激で著しい時間的分散を来す所見とは合いません。
3.筋萎縮性側索硬化症〈ALS〉
誤り。
ALSは運動ニューロンの軸索障害で、CMAP低下はあり得ますが、著明な伝導速度低下や伝導ブロックは典型的ではありません。
4.糖尿病性多発ニューロパチー
誤り。
糖尿病性多発ニューロパチーは長さ依存性の軸索障害が多く、振幅低下が中心です。
5.慢性炎症性脱髄性多発根神経炎
正しい。
CIDPは慢性の免疫性脱髄性ニューロパチーで、伝導遅延、時間的分散、伝導ブロックを示します。
覚えるポイント
- CIDPは多発性・脱髄性・慢性です。
- 脱髄は潜時延長と伝導速度低下を起こします。
- 軸索障害では主に振幅低下が目立ちます。