113A080|第113回 歯科医師国家試験 過去問
23歳の男性。歯肉の痛みと出血を主訴として来院した。2日前から自覚していたがそのままにしていたところ、昨夜から痛みが増悪してきたという。体温は38.0 °Cで、強い口臭と全身の倦怠感がある。エックス線検査の結果、歯槽骨の吸収は認められなかった。初診時の口腔内写真(別冊No. 31)を別に示す。 患部の洗浄とともに行うべき対応はどれか。1つ選べ。

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正解: a
正答
a
この問題のポイント
急激な歯肉痛・出血、発熱、強い口臭、骨吸収なしという組合せは急性壊死性潰瘍性歯肉炎を示します。全身症があれば局所洗浄に抗菌薬を加えます。
解説
急性壊死性潰瘍性歯肉炎〈ANUG〉は、歯間乳頭の壊死性潰瘍、強い疼痛、易出血性、口臭を特徴とし、発熱や倦怠感を伴うことがあります。初期治療は壊死組織・プラークの慎重な除去、過酸化水素水等を含む局所洗浄、口腔衛生管理です。本例は38.0℃の発熱と倦怠感という全身症があるため、嫌気性菌を考慮した抗菌薬投与を併用します。
画像の確認
実画像では、臼歯部歯間乳頭が打ち抜かれたように欠損し、表面に灰白色〜暗赤色の壊死性変化と出血を認めます。骨吸収がないという設問情報と合わせ、歯周支持組織破壊を伴う壊死性歯周炎より歯肉に限局した急性病変です。
選択肢の確認
a.抗菌薬の投与
正しい。発熱・倦怠感を伴うため、局所処置に全身的抗菌薬治療を併用します。
b.抗真菌薬の投与
誤り。Candida症の白苔や義歯性口内炎ではなく、壊死性歯肉病変です。
c.ビタミン剤の投与
誤り。栄養評価は必要でも、急性感染の直接治療にはなりません。
d.抗ウイルス薬の投与
誤り。多発小水疱・びらんを示すヘルペス性歯肉口内炎の像ではありません。
e.副腎皮質ステロイド軟膏の塗布
誤り。感染性病変で免疫反応を抑え、悪化させるおそれがあります。
覚えるポイント
ANUGは「疼痛・出血・口臭・歯間乳頭の打ち抜き状壊死」。局所清掃が基本で、発熱やリンパ節腫脹など全身症があれば抗菌薬を併用します。
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