113B016|第113回 歯科医師国家試験 過去問

歯科臨床歯内療法学

下顎右側第一小臼歯の違和感を訴える患者の口腔内写真(別冊No. 1A)とエックス線画像(別冊No. 1B)を別に示す。 考えられるのはどれか。1つ選べ。

113B016の問題画像
解答・解説を見る

正解: d

正答

d

この問題のポイント

歯肉に排膿路があり、原因歯の根尖部に透過像を認めるという、慢性根尖性歯周炎の所見を組み合わせます。排膿を伴う慢性病変は慢性化膿性根尖性歯周炎です。

解説

慢性化膿性根尖性歯周炎では、感染根管を感染源として根尖部に慢性炎症が続き、形成された膿が骨内から歯肉へ排出されます。排膿路が確立すると内圧が下がるため、急性化膿性病変ほど強い自発痛を示さず、「違和感」程度のことがあります。歯肉の小隆起はサイナストラクト〈瘻孔〉です。

診断では原因歯の歯髄診、打診、瘻孔からのガッタパーチャポイント追跡などを組み合わせます。治療の基本は排膿路だけを処置するのではなく、感染源である根管系を清掃・消毒する感染根管治療です。

画像の確認

実画像Aでは、下顎右側第一小臼歯相当部の頬側歯肉に、中央が白っぽい限局性の隆起がみられ、サイナストラクトを示唆します。実画像Bでは同歯の根尖周囲に境界の比較的明瞭な透過像があり、歯肉への排膿所見と合わせて慢性化膿性病変と判断できます。

選択肢の確認

a.急性単純性根尖性歯周炎
誤り。急性の初期病変では打診痛などが主体で、慢性の排膿路形成は典型的ではありません。

b.急性化膿性根尖性歯周炎
誤り。急性では強い自発痛、著明な打診痛、腫脹などを示しやすく、排膿路ができて症状が軽い本例とは合いません。

c.慢性単純性根尖性歯周炎
誤り。慢性でも、膿の形成とサイナストラクトを示す本例は「化膿性」に分類されます。

d.慢性化膿性根尖性歯周炎
正しい。根尖病変からの排膿路を歯肉に認める慢性根尖性歯周炎です。

e.慢性肉芽性根尖性歯周炎
誤り。根尖部の肉芽組織を主体としますが、臨床的に明らかな排膿路を伴う本例の診断は慢性化膿性です。

覚えるポイント

  • 根尖透過像+歯肉のサイナストラクト=慢性化膿性根尖性歯周炎です。
  • 排膿路があると内圧が下がり、症状が軽いことがあります。
  • 治療では瘻孔だけでなく、感染根管という原因を除去します。

掲載内容は受験学習用に編集しています。正式な正答・採点上の取扱いは、各試験実施機関の発表を優先してください。 情報の確認方法と訂正窓口は編集方針に掲載しています。 本サービスは診断・治療・臨床判断を目的とするものではありません。

問題文・正答・解説に誤りを見つけたら、この問題の誤りを報告する([email protected])までお知らせください。確認して修正します。

関連問題

← 113B015113B017 →
学習アプリでこの問題を解く(記録・メモ・カード化)