113B054|第113回 歯科医師国家試験 過去問

歯科臨床歯内療法学

13歳の女子。下顎左側第二小臼歯の自発痛を主訴として来院した。2か月前に自覚したが、その後症状が消失したためそのままにしていたところ、昨晩から再び発現したという。同歯には打診痛があり動揺度は2度であった。初診時の口腔内写真(別冊No. 11A)とエックス線画像(別冊No. 11B)を別に示す。 適切な対応はどれか。1つ選べ。

113B054の問題画像
解答・解説を見る

正解: d

正答

d

この問題のポイント

一度痛みが消えた後に自発痛が再燃し、打診痛と動揺を伴っています。深在性齲蝕から歯髄壊死・根管感染へ進み、根尖歯周組織に炎症が及んだため感染根管治療が必要です。

解説

齲蝕が歯髄へ達すると、歯髄炎による痛みの後に歯髄が壊死し、一時的に症状が消えることがあります。しかし根管内細菌が根尖孔から歯周組織へ広がると、自発痛、打診痛、腫脹、動揺などが再び現れます。本例の経過はこの進行に一致します。

感染根管治療では壊死歯髄と感染象牙質を除去し、根管を洗浄・消毒して封鎖します。若年永久歯では根尖形成状態を画像で確認し、未完成なら根尖部の状態に応じた処置を選びますが、本問の選択肢では感染源除去が最優先です。

画像の確認

実画像Aでは、下顎左側第二小臼歯咬合面に深い齲蝕性実質欠損がみられます。実画像Bでは齲蝕が歯髄側へ深く及び、臨床上の打診痛・動揺と合わせて根管感染が根尖歯周組織へ波及した状態を示します。

選択肢の確認

a.経過観察
誤り。自発痛、打診痛、2度の動揺があり、感染源を放置できません。

b.生活歯髄切断
誤り。生活歯髄を保存する処置ですが、痛みの消失・再燃という経過は歯髄壊死と感染を示唆します。

c.抜髄
誤り。生活歯髄を除去する処置であり、本例は感染根管として扱います。

d.感染根管治療
正しい。根管内の壊死組織と細菌を除去し、根尖部炎症の原因を治療します。

e.抜歯
誤り。保存可能性がある若年永久歯で、まず歯内療法による保存を図ります。

覚えるポイント

  • 歯痛が一度消失後に再燃したら、歯髄壊死から根尖性歯周炎への進行を考えます。
  • 打診痛は根尖歯周組織への炎症波及を示す重要所見です。
  • 若年永久歯では根尖完成度も必ず確認します。

掲載内容は受験学習用に編集しています。正式な正答・採点上の取扱いは、各試験実施機関の発表を優先してください。 情報の確認方法と訂正窓口は編集方針に掲載しています。 本サービスは診断・治療・臨床判断を目的とするものではありません。

問題文・正答・解説に誤りを見つけたら、この問題の誤りを報告する([email protected])までお知らせください。確認して修正します。

関連問題

← 113B053113B055 →
学習アプリでこの問題を解く(記録・メモ・カード化)