113B077|第113回 歯科医師国家試験 過去問

全身管理医学・全身疾患

29歳の男性。下顎右側第二大臼歯の冷水痛を主訴として来院した。診察の結果、歯科治療恐怖症のため、ミダゾラムによる静脈内鎮静下に同歯のコンポジットレジン修復を行うこととした。処置中にいびきをかきはじめたので深呼吸を指示したが応答しない。その時の生体モニタの画面(別冊No. 27)を別に示す。 行うべき対応はどれか。2つ選べ。

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2つ選択
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正解: a・e

正答

a、e

この問題のポイント

静脈内鎮静中に応答がなく、いびきとSpO₂ 89%を認めています。深い鎮静による上気道閉塞・低酸素血症と考え、直ちに下顎挙上で気道を開き酸素を投与します。

解説

ミダゾラムは鎮静が深くなると、舌根沈下、上気道閉塞、呼吸抑制を起こします。いびきは狭窄した上気道を空気が通る音であり、呼びかけ・指示に応じないことは鎮静深度が予定より深い徴候です。処置と鎮静薬投与を止め、応援を求め、気道確保と高濃度酸素投与を行い、換気を評価します。必要ならバッグ・マスク換気や拮抗薬を検討します。

モニタ上は心拍と血圧が保たれているため、心停止に対するAEDや胸骨圧迫の適応ではありません。

画像の確認

実画像のモニタでは、心拍数73/分、血圧110/62 mmHgで循環は保たれ、心電図にも整った波形がみられます。一方、SpO₂は89%まで低下しており、いびき・無反応という臨床所見と合わせて気道閉塞による低酸素血症を示します。

選択肢の確認

a.酸素投与
正しい。低酸素血症を改善するため、気道確保と同時に高濃度酸素を投与します。

b.AEDの使用
誤り。AEDは心室細動・無脈性心室頻拍などの心停止時に用い、本例には脈拍があります。

c.胸骨圧迫心マッサージ
誤り。循環は保たれており、まず呼吸・気道の異常へ対応します。

d.局所麻酔薬の追加投与
誤り。気道閉塞と低酸素を悪化させる処置継続はせず、緊急対応を優先します。

e.下顎挙上による気道確保
正しい。下顎と舌根を前方へ移動させ、閉塞した上気道を開きます。

覚えるポイント

  • いびき+無反応+SpO₂低下=上気道閉塞を疑うべき所見です。
  • 初期対応は処置中止、気道確保、酸素投与、換気評価です。
  • 脈拍がある患者にAED・胸骨圧迫は行いません。

掲載内容は受験学習用に編集しています。正式な正答・採点上の取扱いは、各試験実施機関の発表を優先してください。 情報の確認方法と訂正窓口は編集方針に掲載しています。 本サービスは診断・治療・臨床判断を目的とするものではありません。

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