113B088|第113回 歯科医師国家試験 過去問

歯科臨床保存修復学

40歳の男性。上顎左側中切歯の一過性の冷水痛を主訴として来院した。2か月前から自覚していたがそのままにしていたという。検査の結果、齲蝕と診断し、光硬化型グラスアイオノマーセメント修復を行うこととした。初診時の口腔内写真(別冊No. 36A)、エックス線画像(別冊No. 36B)、上顎左側中切歯の口蓋側面から便宜拡大した口腔内写真(別冊No. 36C)及び切削器具の写真(別冊No. 36D)を別に示す。 窩洞形成に用いるのはどれか。2つ選べ。

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2つ選択
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正解: a・e

正答

a、e

この問題のポイント

近心隣接面齲蝕へ口蓋側から到達し、光硬化型グラスアイオノマーセメントで修復します。エナメル質の開拡にはダイヤモンドポイント、軟化象牙質の除去にはラウンド型スチールバーを使い分けます。

解説

前歯隣接面齲蝕では、健全な唇側エナメル質を保存し、病変へ近い口蓋側から最小限に開拡します。まずアの通常粒度のダイヤモンドポイントで硬いエナメル質を切削して齲窩へ到達し、次にオのラウンド型スチールバーを低速で用いて軟化した感染象牙質を選択的に除去します。

光硬化型グラスアイオノマーセメントは歯質へ接着し、薄い材料辺縁は破折しやすいため、コンポジットレジンのようなベベルを窩縁へ付与しません。したがって、スーパーファインのダイヤモンドポイントやコンポジットレジンの形態修正・研磨器具は、本問の窩洞形成には選びません。

画像の確認

実画像Aでは唇側面の外形は保たれていますが、実画像Bでは上顎左側中切歯の近心隣接面に象牙質へ及ぶ透過像がみられます。実画像Cでは口蓋側からみた近心隣接面に褐色の齲窩が確認でき、唇側を保存した口蓋側アプローチが適切です。実画像Dでは、アは小型ダイヤモンドポイント、イは黄色帯のスーパーファインダイヤモンドポイント、ウはフィニッシング用カーバイドバー、エはホワイトポイント、オはラウンド型スチールバーです。

選択肢の確認

a.ア
正しい。通常粒度のダイヤモンドポイントでエナメル質を開拡し、齲窩へ到達します。

b.イ
誤り。スーパーファインのダイヤモンドポイントは形態修正やベベル形成に用いますが、グラスアイオノマー修復ではベベルを付与しません。

c.ウ
誤り。フィニッシング用カーバイドバーで、主にコンポジットレジンの形態修正に用いる器具です。

d.エ
誤り。ホワイトポイントは修復物の形態修正・研磨に用い、齲蝕窩洞の形成には用いません。

e.オ
正しい。ラウンド型スチールバーを低速で用い、軟化した象牙質齲蝕を除去します。

覚えるポイント

  • エナメル質の開拡=ダイヤモンドポイント、軟化象牙質の除去=ラウンド型スチールバーです。
  • グラスアイオノマーセメント修復の窩縁は材料厚を確保し、原則としてベベルを付けません。
  • 前歯隣接面では可能なら口蓋側から入り、健全な唇側エナメル質を保存します。

掲載内容は受験学習用に編集しています。正式な正答・採点上の取扱いは、各試験実施機関の発表を優先してください。 情報の確認方法と訂正窓口は編集方針に掲載しています。 本サービスは診断・治療・臨床判断を目的とするものではありません。

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