113D018|第113回 歯科医師国家試験 過去問

社会歯科法規・医療制度

インシデントレポートの作成に関係するのはどれか。1つ選べ。

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正解: d

正答

d

この問題のポイント

重大事故の背景には多数の軽微な事故やヒヤリ・ハットがあるというHeinrichの法則が、インシデント報告の考え方につながります。

解説

Heinrichの法則は、労働災害の分析から、1件の重大事故の背後に29件の軽傷事故と300件の傷害に至らなかった事象が存在するという「1:29:300」の関係として知られます。医療安全では、この数値比を普遍的な厳密法則として用いるというより、患者被害に至らなかったインシデントやヒヤリ・ハットを収集・分析することが、将来の重大事故予防に重要だという考え方に応用します。

インシデントレポートは個人を非難するためではなく、発生状況、背景要因、システム上の弱点を把握し、再発防止策へ結び付けるためのものです。残る選択肢は、補綴設計、骨の適応、心機能、放射線感受性に関する法則で、医療事故報告の階層関係とは異なります。

選択肢の確認

a.Anteの法則
誤り。
固定性補綴装置の支台歯選択で、支台歯の歯根膜面積と欠損歯の歯根膜面積との関係を扱います。

b.Wolffの法則
誤り。
骨が加わる力学的負荷に適応して内部構造や形態を変化させるという法則です。

c.Starlingの法則
誤り。
心筋が生理的範囲内で拡張されるほど収縮力が増すという心機能の法則です。

d.Heinrichの法則
正しい。
重大事故の背後に多数の軽微な事故・無傷害事象があるとし、インシデント収集の意義を説明します。

e.Bergonié–Tribondeauの法則
誤り。
分裂頻度が高く未分化な細胞ほど放射線感受性が高いという法則です。

覚えるポイント

  • Heinrichの法則は1件の重大事故:29件の軽傷事故:300件の無傷害事象です。
  • インシデント報告は原因をシステムとして分析し、重大事故を予防するために行います。
  • 報告制度は個人への懲罰ではなく、安全文化の形成に役立てます。

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