113D061|第113回 歯科医師国家試験 過去問
象牙質知覚過敏症に有効なのはどれか。2つ選べ。
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正解: d・e
正答
d、e
この問題のポイント
象牙質知覚過敏症では、露出した象牙細管内の液体移動を抑えることが治療の中心です。シュウ酸カリウムとフッ化ナトリウムは象牙細管を封鎖し、刺激が歯髄へ伝わりにくくします。
解説
象牙質知覚過敏症は、歯肉退縮や摩耗などで象牙質が露出し、冷気・冷水・擦過などの刺激によって一過性の鋭い痛みが生じる状態です。動水力学説では、開口した象牙細管内の液体が動き、その変化が歯髄側の神経終末を刺激すると考えます。そのため、治療は象牙細管の開口を塞ぐ方法と、神経の興奮性を下げる方法に大別されます。
シュウ酸カリウムは象牙質中のカルシウムと反応して難溶性のシュウ酸カルシウム結晶を形成し、象牙細管を封鎖します。フッ化ナトリウムもフッ化カルシウム様沈着物の形成や再石灰化を通じて細管を狭窄・封鎖します。これに対し、リン酸は脱灰して細管を開きやすく、過酸化水素は漂白・酸化作用を目的とする薬剤です。
選択肢の確認
a.リン酸
誤り。
リン酸処理はスメア層を除去して象牙細管を開口させるため、知覚過敏の抑制目的には適しません。
b.HEMA
誤り。
HEMAは接着材などに含まれる親水性モノマーですが、HEMA単独を知覚過敏抑制の有効成分として選ぶ問題ではありません。
c.過酸化水素
誤り。
酸化・漂白作用をもつ薬剤であり、象牙細管を封鎖する作用は期待できません。
d.シュウ酸カリウム
正しい。
シュウ酸カルシウム結晶を形成して象牙細管を封鎖し、細管内液の移動を抑えます。
e.フッ化ナトリウム
正しい。
カルシウム塩の沈着や再石灰化を促し、象牙細管を狭窄・封鎖します。
覚えるポイント
- 知覚過敏の基本は、露出象牙細管内の液体移動を減らすことです。
- シュウ酸カリウムとフッ化ナトリウムは象牙細管封鎖に用いられます。
- 持続痛や自発痛があれば、歯髄炎や亀裂など別の原因を鑑別します。
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