113D062|第113回 歯科医師国家試験 過去問
35歳の女性。上顎左側小臼歯部の動揺を主訴として来院した。6か月前から自覚していたがそのままにしていたという。歯周基本治療後に症状が改善されなかったためフラップ手術を行い、骨欠損形態を確認した。初診時の口腔内写真(別冊No. 16A)、エックス線画像(別冊No. 16B)及び術中の写真(別冊No. 16C)を別に示す。歯周基本治療後の再評価時の歯周組織検査結果の一部を表に示す。 術中の所見を踏まえ、次に行う処置はどれか。2つ選べ。

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正解: a・d
正答
a、d
この問題のポイント
歯周基本治療後にも深い歯周ポケットが残り、フラップ手術で垂直性骨欠損が確認されています。支持組織の再生を図る自家骨移植とFGF-2製剤の応用が適します。
解説
歯周外科時に確認された骨欠損が深い垂直性・骨内性欠損で、歯周基本治療後にも6 mm程度のポケットとプロービング時出血が残る場合は、単に歯肉を切除するのではなく失われた歯周組織の再生を検討します。自家骨は患者自身から採取するため生体親和性が高く、骨形成・骨伝導に寄与して欠損部を充填できます。FGF-2製剤は歯根面周囲の未分化間葉系細胞や血管形成などを促し、セメント質・歯根膜・歯槽骨を含む歯周組織再生を目指す材料です。
再生療法の予知性は欠損の壁数、深さ、清掃性、喫煙、炎症の制御などに左右されます。本例では基本治療を終え、術中に再生に適する骨内欠損を確認したことが選択の根拠です。歯槽骨切除は支持骨をさらに減らし、結合組織移植は主に軟組織量や根面被覆を改善する処置です。
画像の確認
実画像では、初診時写真で上顎左側小臼歯部に歯肉の炎症があり、エックス線画像では隣接面に沿う垂直性の骨吸収がみられます。術中写真ではフラップ翻転後、小臼歯歯根に沿って深く限局した骨内欠損が直接確認でき、表でも同部に5〜6 mmの残存ポケットと出血が示されています。
選択肢の確認
a.自家骨移植
正しい。
患者自身の骨を骨内欠損へ移植し、欠損部の骨再生を促す方法です。
b.歯槽骨切除
誤り。
骨形態修正のため支持骨を削除する処置であり、本例の再生可能な深い骨内欠損では第一選択になりません。
c.歯肉結合組織移植
誤り。
歯肉退縮の根面被覆や軟組織増大が主目的で、骨内欠損の再生を直接図る処置ではありません。
d.FGF-2製剤の応用
正しい。
歯周組織の再生を促す生物学的製剤で、骨内欠損へ応用できます。
e.オドントプラスティー
誤り。
歯の形態を削合修正する処置であり、垂直性骨欠損を再生する方法ではありません。
覚えるポイント
- 深い骨内欠損では、欠損形態を確認して歯周組織再生療法を選びます。
- 自家骨は移植材、FGF-2は再生を促す生物学的製剤です。
- 炎症とプラークを基本治療で十分に制御してから再生療法を行います。
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